【9⽉18⽇ Peopleʼs Daily】ケニアの農場で早朝に収獲されたバラの花びらには、まだ露がついていた。この花は48時間以内に中国・湖南省(Hunan)長沙市(Changsha)内の花市場で売りに出される。迅速な流通の実現には、中国政府が2021年11月にアフリカの農産物の中国輸出の検査検疫時間を短縮したことも奏功した。

 マダガスカルのエッセンシャルオイル、ザンビアの宝石、エチオピアのコーヒー、ジンバブエの木彫り、南アフリカのワイン、セネガルの化粧品――。近年の中国とアフリカの貿易円滑化措置に伴い、アフリカの良品が中国市場で人気を博すようになった。

 中国とアフリカの貿易は、中国・アフリカ協力フォーラム(FOCAC)の歴代会議で決まった実務的措置もあり、活力を維持し、絶えず豊かな成果を収めている。中国は15年連続でアフリカにとって最大の貿易相手国だ。中国商務部によると、2023年には中国とアフリカの貿易総額が前年比1.5%増で過去最高の2821億ドル(約39兆7000億円)に達した。

 アフリカから中国への2023年の輸出では、ナッツ類が前年比130%増、野菜類が同32%増、花卉(かき)が同14%増、果物が同7%増と好調だった。中国からアフリカ側への輸出の主力は機械類で、特に急速に成長する電気自動車など新エネルギー車、リチウムイオン電池、太陽光発電関連装置はアフリカのグリーンエネルギー導入を支えている。

 アフリカ大陸自由貿易圏(African Continental Free Trade AreaAfCFTA)の開始に伴い、中国との貿易を強化することはアフリカ各国の共通認識になり、すでにアフリカ21か国からの中国への輸出品の98%にゼロ関税が適用された。中国国際輸入博覧会(輸入博、CIIE)や中国国際消費品博覧会(CICPE)などの世界向けのイベントのほか、中国はアフリカ諸国のために中国・アフリカ経済貿易博覧会などを実施し、アフリカ商品の中国市場での知名度を高めている。

 中国とアフリカのインフラ建設協力も顕著な成果を上げている。中国企業はアフリカの1万キロ以上の鉄道、10万キロ近くの道路、1000基近くの橋、100か所近くの港湾、大量の病院と学校などの整備に携わり、中国側はさらに民生向上のための「小さくて美しい」プロジェクトも実施している。

 中国とアフリカの経済や貿易の協力分野は従来型の貿易や建設プロジェクト以外にもデジタル、グリーン、航空宇宙、金融などの新興分野へと拡大している。ケニアでは中国の技術を参考にしたトウモロコシの栽培方法が試みられ、周辺地域の同一品種より収穫量を50%引き上げることに成功した。中国はアルジェリアやナイジェリアの通信気象衛星を建造し打ち上げた。中国とアフリカの協力は全方位、多層、質の高い方向に発展している。

 中国とアフリカの貿易の円滑化は、アフリカ諸国の経済と社会の発展により多くの新たなチャンスを創造し、新時代の中国・アフリカ運命共同体の絆を強めることになる。(c)Peopleʼs Daily/AFPBB News