「ペット食べる」街に爆破予告33件 知事にも殺害の脅し 米オハイオ州
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【9月17日 AFP】米オハイオ州のマイク・デワイン(Mike DeWine)知事は16日、「移民がペットを食べている」とドナルド・トランプ(Donald Trump)前大統領らが主張する同州スプリングフィールド(Springfield)に、33件の爆破予告があったと明かした。
デワイン氏は同地で記者会見し、「少なくとも33件の爆破予告を受けた」が、全てがいたずらだったと話した。そのうちの数件はある特定の国からだったとしたが、国名は示さなかった。
トランプ氏をはじめとする共和党幹部らは、スプリングフィールド在住のハイチからの移民がペットを盗んで食べていると吹聴。また、犯罪増大の要因になっているといった陰謀論を広めている。
トランプ氏が先週の大統領選討論会で「彼らは犬を食べている」と主張して以来、スプリングフィールドには爆破や銃撃などの予告が相次いでいる。16日には、学校2校が休校を余儀なくされた。
住民のハイチ人の一部はAFPに、命の危険を感じていると話した。
デワイン氏も先に、殺害予告を受けたと告白した。同氏は共和党員だが、反移民的な陰謀論については否定している。
コロンバス(Columbus)市にあるオハイオ州議会もこの日、爆破予告を受けた。ABC系列局は、予告には「スプリングフィールドのハイチ人住民に対する侮蔑的な言葉が含まれていた」と報じた。
デワイン氏はこうした事態を受け、「子どもたちには学校で学ぶ権利がある」とし、安全対策として、州ハイウエーパトロール所属の隊員36人を市全域に配備すると発表した。隊員は毎朝、学校に不審物などがないか調べ、終業まで構内にとどまるという。
白人が大半を占めるスプリングフィールドの人口は2020年時点で6万人弱だったが、近年急増。新住民の多くは、好調な経済情勢に引き付けられたハイチ移民で、1万〜1万5000人が流入した。(c)AFP