韓国・人口5万人の都市に高校は一つだけ…毎朝の「登校戦争」に保護者らイライラ
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【09月17日 KOREA WAVE】韓国全羅南道(チョルラナムド)順天市(スンチョンシ)海龍面(ヘリョンミョン)に住む高校生の保護者らが、子どもたちの遠距離通学の不便さを訴えている。新都市開発により人口が急増したにもかかわらず、高校は1校しかなく、長い通学路に対する安全面での懸念も高まっている。
順天市によると、今年8月末時点で海龍面の人口は約5万5000人に達し、市全体の人口の20%を占めている。過去10年間で2万3000人が流入しており、全国の面単位では最多の人口を誇る地域だ。
だが、小学校と中学校がそれぞれ6校ある一方、高校はわずか1校しかない。通学の不便さを訴える保護者たちの声が以前から続いている。
順天市内の高校はほとんどがもとの市街地に集中し、学生らは通学のために往復40㎞以上の距離を移動しなければならない。遠距離通学による劣悪な教育環境と学習権侵害はもちろん、生徒たちの安全問題にまでつながりかねないという。
スクールバスを運営していない高校の生徒たちは、市内バスを利用する学生が多いものの、バスの間隔が長いため、保護者たちは不満を抱いている。
海龍面に居住するある保護者は「毎朝50分以上かけて通学させるのはまさに戦争のよう。長距離の通学は子どもの安全にも大きな懸念があります」と語る。別の保護者も「長い通学路で子どもたちは精神的にも疲れてしまい、勉強に集中できません。学校の新設が緊急に必要です」と訴えた。
こうした通学の不便さに対する問題が浮上したことを受け、海龍面の住民らは高校誘致に向けた本格的な運動を開始している。海龍面高校誘致推進協議会は、最近1万人を対象とした署名運動を展開するなど、積極的な活動を続けている。
教育当局は、近隣の開発都市の用地を活用した高校設立の計画を示している。全羅南道教育庁の関係者は「現在開発中の新月地区の用地を活用して学校の誘致を検討しており、その必要性には十分に共感している」と述べている。
(c)news1/KOREA WAVE/AFPBB News