【9月15日 AFP】ベネズエラ政府は14日、国家の不安定化を策謀した疑いで米国人3人、スペイン人2人、チェコ人1人を拘束したと発表した。米国が工作に関与したとしているが、米政府は否定している。

 ベネズエラと米国およびスペインとの間では、7月のベネズエラ大統領選挙の結果をめぐり緊張が高まっている。

 ディオスダド・カベジョ(Diosdado Cabello)内務・法務相は、ニコラス・マドゥロ(Nicolas Maduro)大統領とその政権への攻撃を企てた疑いで外国人が拘束されているとして、「この作戦に米政府が関与していると承知している」と述べた。

 カベジョ氏によると、南西部プエルトアヤクチョ(Puerto Ayacucho)で最近、スペイン人2人が拘束された。米国人3人とチェコ人1人も拘束され、カベジョ氏はこの陰謀が米国とスペインの情報機関、およびベネズエラの野党指導者リア・コリナ・マチャド(Maria Corina Machado)氏と関連があると指摘した。

 マドゥロ大統領はこれまで、自国が直面するさまざまな困難を「帝国主義」の米国のせいにし、米国がベネズエラの反体制派と共謀して自身を打倒しようとしていると主張してきた。

 米国務省の報道官は14日、「マドゥロ政権打倒の陰謀に米国が関与しているとの主張は完全に誤りだ」とコメント。一方で、米軍人1人が拘束されていることを認め、「ベネズエラで米市民2人が拘束されたとの確証のない報告もある」と明らかにした。

 カベジョ氏は、拘束された外国人はフランスと東欧の傭兵(ようへい)と接触していたと説明。さらに「400丁以上のライフルが押収された」とし、「テロ行為」が企てられていたと非難した。

 スペイン、チェコ両政府はこれまでのところ反応を示していない。(c)AFP