【9月14日 AFP】ローマ・カトリック教会のフランシスコ教皇(Pope Francis)は13日、米大統領選の共和党候補ドナルド・トランプ(Donald Trump)前大統領と民主党候補カマラ・ハリス(Kamala Harris)副大統領について、いずれも「命に反する(アゲインスト・ライフ)」との見方を示した。理由としてトランプ氏が反移民政策を掲げている点、ハリス氏が人工妊娠中絶の権利を支持している点を挙げた。

 教皇は12日間のアジア太平洋地域歴訪を終えて伊ローマに戻る機内で、「(トランプ、ハリス)両者は命に反する。移民を見捨てる者も、子どもを殺す者も、いずれも命に反している」と記者団に語った。

「私は米国人ではないし、あの国で投票するわけでもない。だが、はっきりさせておきたいのは、移民を追い出すこと、移民に就労資格を与えないこと、移民を歓迎しないことは重大な罪だ」

 トランプ氏は、不法移民を一斉検挙して強制送還すると表明している。

 また、トランプ氏が在任中に指名した3人の判事により保守色が強まった米連邦最高裁は2022年、女性の人工妊娠中絶を合衆国憲法上の権利と認めた1973年の「ロー対ウェイド(Roe v. Wade)判決」を覆す判断を下した。ハリス氏はこの権利を回復すると表明している。

 教皇は「二つの悪のうち、まだましな方を選ばなければならない。どちらがましか? あの女性か、それともあの男性か? 私には分からない。一人一人が自分の良心に従って考え、決断しなければならない」と呼び掛けた。(c)AFP