陰謀論渦中の町に爆破予告 トランプ氏が拡散「ペット食べる移民」
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【9月13日 AFP】米大統領選の共和党候補、ドナルド・トランプ(Donald Trump)前大統領らが広めている、ハイチ移民が猫や犬などのペットを盗んで食べているという反移民陰謀論の渦中にあるオハイオ州スプリングフィールド(Springfield)で12日、市庁舎や小学校などが爆破予告を受けた。
現地警察によると、午前8時24分(日本時間同午後9時24分)に送信されたメールで爆破予告が届き、市庁舎など複数の公共施設で避難が行われた。「爆発物探知犬の助けを得て、脅迫メールに記載されていた全施設を調査し、安全を確認した」としている。
警察によると、標的には、小学校や公立のチャータースクール(特別認可校)も含まれており、避難が実施された。
警察は「現在、連邦捜査局(FBI)デイトン(Dayton)支部と協力し、電子メールの送信元の特定を試みている」という。
ロブ・ルー(Rob Rue)市長は地元紙スプリングフィールド・ニュース・サンに対し、脅迫メールを送った人物は同市出身で、ハイチ移民問題に言及していたと説明した。
爆破予告の数時間後、トランプは氏は自身のSNS「トゥルース・ソーシャル」で反移民陰謀論絡みのミームをリポスト。オハイオ州では「主にハイチからの不法移民が押し寄せ、前例のない規模と速さで町や村を乗っ取っている」と主張した。
トランプ氏は同日、アリゾナ州ツーソン(Tucson)での選挙集会でも同様の主張を繰り返し、「移民たちは町のガチョウを連れ去っている」と発言。スプリングフィールドに言及した直後、「米国人の幼い少女たちが野蛮な外国人犯罪者によってレイプされ、性的暴行され、殺されていることに私は怒っている」と述べたが、具体的な事例は挙げなかった。
人口約5万8000人のスプリングフィールドでは近年、ハイチからの移民が急増。サン紙によると、その数1万~1万5000人とされる。
同市では近年、社会サービス、学校、住宅が逼迫(ひっぱく)しており、移民がその一因だと指摘する声もある。(c)AFP/Nicholas Roll with Daniel Stublen in Washington