【9月13日 Xinhua News】中国の特産品であるザーサイを日本で広く販売し、近年は伝統製法を守って自ら中国で生産を展開している日本企業がある。1920年に創業した食品メーカーの桃屋だ。桃屋(四川)食品の呉浩(ご・こう)総経理によると、桃屋が68年に日本市場で発売した「味付ザーサイ」は50年以上にわたるロングセラーとなり、ザーサイが日本で広まるきっかけとなった。

 桃屋はもともと、風干ししてかめで熟成させた伝統的なザーサイを原料に製品を生産していた。だが2000年以降、伝統的な加工法をやめ、塩漬けしただけの製品をつくるサプライヤーが増加。原料供給を確保するため、同社は19年7月10日、ザーサイの代表的産地である四川省資陽市に桃屋(四川)食品を設立し、同省の伝統製法による原料の自社生産を始めた。

 同市雁江区にある同社の生産ラインでは、従業員がそれぞれの持ち場で作業に専念し、日本市場で販売されるザーサイの生産が整然と進んでいる。

 伝統製法では、原料となる新鮮な青菜頭(ちんさいとう)を選別して串刺しにし、棚につるして風干しした後、棚から下ろして洗い、塩漬けにする。3回塩漬けしたザーサイに香辛料を混ぜて陶器製のかめに詰め、1年以上の自然発酵を経てようやく、完成品である瓶詰めのザーサイの中身が完成する。

 伝統的なかめ詰めザーサイの生産は軌道に乗り、23年に日本に輸出したザーサイは231トンに上った。今後は中国市場を積極的に開拓し、中国人の好みに合わせた新製品の研究開発と生産に乗り出すという。(c)Xinhua News/AFPBB News