【9月12日 AFP】中国サッカー協会(CFA)に永久資格停止処分を科された元韓国代表MFの孫準浩(Son Jun-ho、ソン・ジュンホ)は11日、涙ながらに八百長への関与を否定し、中国側から脅迫を受けたと告発した。

 孫は中国スーパーリーグ(1部)の山東泰山(Shandong Taishan FC)に所属していた昨年5月、八百長と収賄に関与したとして中国で拘束された。今年3月に韓国に帰国したが、今週に入り、中国国内の試合で違法賭博や八百長に関わったとしてCFAから他42人と共に永久資格停止処分を受けた。

 孫はこの日ソウルで開いた会見で、中国で拘束されたのは「あまりにもショックだった」と話し、中国の警察に脅され、子どもを含む家族を自白に追い込む道具として利用されたと訴えた。

「中国警察はばかげた容疑を突きつけてきた」「容疑を認めなければ妻も逮捕し、同じ拘置所に連れて行って取り調べを行うと脅された」と主張し、十分な通訳や弁護士へのアクセスを与えられず、中国警察から収賄容疑をかけられていると知ったときは「呆然」としたと明かした。

 会見では時折話すのをやめて涙を拭きながら、「そのようなことは一切していない」と疑惑を否定しつつ、中国警察からは容疑を認めれば早期に釈放すると取引を持ちかけられたと述べ、「家族のことを思って恐怖と不安でいっぱいになり、すぐに家族のもとに戻るために、意味も理解していなかった罪を認めるしかなかった」と語った。

 また、中国警察は自身に自白を強要した際の音声ファイルを公開すべきだと主張し、「完全な透明性を持って汚名をそそぎたい」と話した。

 代理人は、中国側は不正行為の証拠を提供していないとして、孫が国際サッカー連盟(FIFA)から制裁を科される可能性は低いとの認識を示している。AFPはFIFAにコメントを求めたが、返答はなかった。

 孫は帰国後、国内5部リーグのチームを経て現在は1部の水原FC(Suwon FC)でプレーしている。韓国代表では、2022年のW杯カタール大会(2022 World Cup)で4試合中3試合に出場したが、今週行われた26年のW杯北中米大会に向けたアジア最終予選のメンバーには選ばれなかった。(c)AFP/Kang Jin-kyu