【9月12日 AFP】ジョー・バイデン(Joe Biden)米大統領は11日、2001年米同時多発攻撃の追悼行事で、宿敵ドナルド・トランプ(Donald Trump)前大統領のトレードマークである赤い帽子をかぶった。ホワイトハウス(White House)は、米国の「団結」を示すものだと説明している。

 バイデン氏は、自らに代わり大統領選の民主党候補となったカマラ・ハリス(Kamala Harris)副大統領と共に、ユナイテッド航空93便が墜落したペンシルベニア州シャンクスビル(Shanksville)近郊で追悼行事に出席した。

 ホワイトハウスのアンドルー・ベイツ(Andrew Bates)報道官はX(旧ツイッター)で、「シャンクスビル消防署で、バイデン大統領は9.11後の米国で起きた超党派的な団結について語り、私たちはあのときの状態に戻る必要があると述べた」と説明。

「彼(バイデン氏)はそれを示すジェスチャーとしてトランプ氏支持者に帽子を渡した。するとその支持者が(バイデン氏も)同じ精神でこのトランプ氏の帽子をかぶるよう求めたので、少しの間かぶった」と続けた。

 トランプ氏の選挙グッズである「トランプ2024」というロゴ入りの帽子を身に着けたバイデン氏の写真と動画は、すぐにネット上で拡散された。

 ネットユーザーの中には、前日の大統領選討論会でトランプ氏がハリス氏に対し、「バイデン氏はあなたを嫌っている」と述べた点を指摘する人もいた。

 トランプ陣営が運営するSNSアカウント「Trump War Room」は早速、バイデン氏がトランプ氏の帽子をかぶったのは「昨夜の討論会で、カマラがあまりにもひどかったからだ」と皮肉った。

 中立的な観察者によると、トランプ氏はあまり良いパフォーマンスを発揮できず、防御的で準備不足、過去や個人的な不満に執着しているのが実情だった。

 ABCニュースで放映された討論会後に行われた三つの全国調査によると、平均57%の視聴者がハリス氏優勢と回答。トランプ氏が優勢とする回答は34%にとどまった。(c)AFP