【9月9日 AFP】イスラエルのベニー・ガンツ(Benny Gantz)前国防相は8日、同国はパレスチナ自治区ガザ地区(Gaza Strip)から、レバノンのイスラム教シーア派(Shiite)組織ヒズボラ(Hezbollah)およびレバノン国境に焦点を移すべきだと主張し、「わが国は後れを取っている」と警鐘を鳴らした。

 イスラエル軍とヒズボラは、連日のように越境攻撃の応酬を続けている。

 中道派のガンツ氏は米首都ワシントンでの中東フォーラムで、「わが国は、ガザ地区に対処する戦力は十分にある。北部(のレバノン国境)で起きていることに集中するべきだ」とし、「北部での時が来た。わが国は後れを取っていると思う」と述べた。

 同氏はまた、ヒズボラとの敵対行為が激化した際にイスラエル北部で住民の大半を避難させたのは間違いだったとした。

「ガザでの作戦の山場は越えた」「わが軍はガザで何でもできる」とした上で、「人質解放交渉は模索するべきだが、数日か数週間かそこらで進展がないのであれば、(軍は)北上するべきだ」と訴え、「必要があれば、レバノンも攻撃できる」との見方を示した。

 さらに、「(ガザ地区を実効支配しているイスラム組織)ハマス(Hamas)の話はもう過去のこと」とし、それよりも「イランおよび(中東)地域における同国の代理勢力、そして彼らがやろうとしていることが真の問題だ」と強調した。

 ガンツ氏は6月、ベンヤミン・ネタニヤフ(Benjamin Netanyahu)首相がガザの戦後計画を提示しないことを理由に戦時内閣から離脱した。(c)AFP