麻薬王のカバ、狩猟で駆除へ コロンビア裁判所
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【9月7日 AFP】南米コロンビアの裁判所は6日、環境・持続可能開発省に対し、1980年代に麻薬王の故パブロ・エスコバル(Pablo Escobar)が輸入したカバの子孫を狩猟によって駆除するよう要請した。
クンディナマルカ(Cundinamarca)県の行政裁判所は環境省に対し、地域の生態系に影響を与えている「カバの根絶措置を考慮に入れた規制」を3か月以内に導入するよう要請。対策として、「管理された狩猟と不妊手術」も実施するべきだとしている。
エスコバルの死後、アンティオキア(Antioquia)州の私設動物園で飼育されていたカバが捕食者の存在しないエリアで野生化。現在、体重2トンほどのカバ、166頭ほどが自由に歩き回り、マグダレナ(Magdalena)川で漁師を襲ったという報告や、マナティーの個体数に悪影響を及ぼすという専門家の意見も出ている。
環境省は2022年、世界で最も危険生物の一つとされるカバを外来種に指定。昨年、一部に不妊手術を施し、残りを殺処分する計画を発表した。不妊手術は徐々に進められているが、殺処分はまだ実施されていない。
メキシコ、インド、フィリピンに移送する計画も持ち上がっていたが、行き詰まっている。(c)AFP