トランプ氏、マスク氏トップの「仕分け」委員会を計画 無駄遣い削減へ
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【9月6日 AFP】米国のドナルド・トランプ(Donald Trump)前大統領は5日、11月の大統領選に勝利した場合、「数兆ドル」に及ぶ支出の無駄を削減するために効率化委員会を設置し、そのトップに実業家のイーロン・マスク(Elon Musk)氏を任命する考えを示した。
大統領選の共和党候補であるトランプ氏は、実業界のリーダーたちを前にしたニューヨークでの講演で、2期目のトランプ政権のビジョンを説明。米経済誌フォーブス(Forbes)の「世界長者番付」で世界一の富豪とされるマスク氏が「連邦政府全体の財務および業績に関する完全な監査」を監督すると述べた。
さらに「その手始めとして、委員会は6か月以内に詐欺や不正あるいは不適切な支出を完全に排除する行動計画を策定する。これにより数兆ドルを節約できる」と語った。
電気自動車(EV)大手テスラ(Tesla)と宇宙開発企業スペースX(SpaceX)の最高経営責任者(CEO)であるマスク氏は、米国の政治において影響力のある存在となっているが、2022年に買収したSNSプラットフォームのツイッター(現X)を右派陰謀論の拡声器に変えたとの非難も浴びている。
トランプ前政権下で米国の債務は8.2兆ドル(約1170兆円)増加した。これは現在のジョー・バイデン(Joe Biden)政権のほぼ2倍に相当する。
トランプ氏は「節約」の具体的内容を明らかにしておらず、打ち出した「数兆ドル」という規模に専門家は懐疑的だ。
バイデン政権の元経済顧問バラット・ラマムルティ(Bharat Ramamurti)氏は「つまり、トランプ氏は社会保障、高齢者向け公的医療保険制度のメディケア(Medicare、高齢者向け公的医療保険制度)、または退役軍人手当の削減を支持しているということだ」と指摘。「同時に、富裕層を対象とする数兆ドルの減税を提案している。彼の基本的な目標は、金持ちの仲間にもっと金を渡し、その他全員に渡る分は減らすことだ」と批判した。