【9月5日 Xinhua News】中国では年に1度の上海ブックフェアから上海国際児童図書フェアまで、大きな書籍展示会に足を運ぶと、親子が一緒に本を読むというこれまでのあり方に一つの変化が起き、加速度的に進んでいることが分かる。スマートフォンのアプリや専用の携帯式読み上げ機器を使って本を聴く「親子聴書」が新たに登場した選択肢の一つとして、上海などの大都市で人気を集めている。。

 このほど開催された2024年上海ブックフェアでは、中国の大手音声配信プラットフォーム「喜馬拉雅(シマラヤ)」が代表的なオーディオブックブランドとして出展した。会場に設けられた「キャンプ場」風のブースでは、特に「親子キャンプ場」が本を聴きに来る児童や青少年とその保護者で盛況だった。

 喜馬拉雅広報ディレクターの鄔智冬(う・ちとう)氏は「音声による物語を提供する以上に、新しい読書スタイルを提供している。児童文学、やさしい科学知識百科、国学(中国伝統の思想や文化)や古典詩などを含む大量のコンテンツに、このプラットフォームを通じてアクセスできる」と述べ、傘下の0~12歳児向けオンライン音声プラットフォーム「喜馬拉雅キッズ」は現在、月間アクティブユーザー数(MAU)4200万人を超え、事業はここ数年、急成長していると紹介した。

 上海に住む1男1女の母、孔(こう)さん(43)は、子どもを連れて熱心にさまざまな「親子聴書」系の活動に参加している。高校生の息子は普段、寄宿生活をしており、まだ幼い娘の方は就学前段階から親が付き添って識字・読解能力を強化するとともに、さまざまなオーディオブックの活動も体験させてきたが、子どもは後者の方を好んでいるという。

 大人の中にも、このようなオーディオブックの活動を好み、余暇を利用して「耳で本を聴く」仲間に加わる人もいる。「喜馬拉雅キッズ」音声配信プラットフォームには現在、100万本以上の児童向けコンテンツがあり、「神探邁克狐(名探偵・きつねのマイク)」や「森林旅店(森の宿屋)」「銀河少年伝説」などのインターネット上で名の通ったIP(知的財産)製品を生み出すとともに、子どもの疑問に答える「十万個のなぜ」「ディズニー」「ペッパピッグ」などの人気IPとも協力を深めている。

 鄔氏は「音声というユニークな媒体を通じて、今後も無数の家庭に温かく、楽しく、有意義な親子の時間を届け、子どもや青少年を成長させる心の糧を充実させ続けたい」と述べた。(c)Xinhua News/AFPBB News