【9月4日 CGTN Japanese】猛暑日が続く今年の夏、水遊びを楽しむ人が多く、プールやウォーターパークは人気スポットとなっています。水泳や水遊びの時、多くの女性は一つの心配事を抱えています。公共プールなどでは人が多く、水が汚れると、婦人病にかかる恐れがあるのではないかと懸念されるからです。これがビジネスチャンスとして捉えられ、今夏「水泳用女性器シール」という新商品が中国で売り出され、好調な売れ行きを見せています。

 中国のある大手ショッピングサイトで検索すると、「女性器シール」の種類は実に豊富で販売量も多く、販売ランキングで上位の商品は月に数十万枚も売れて、一枚の価格は6元から十数元(約120~500円程度)です。商品の紹介文には「360度肌にフィット」「水漏れを恐れず」「汚れた水を99%遮断」「女性器を乾燥させて感染防止」などの宣伝フレーズが述べられています。また、注意事項には「肌アレルギーの方のご使用はご遠慮ください」「女性器に炎症のある方は使用しないでください」などと書かれています。

 しかし、このような「女性器シール」の効果について、ネットユーザーらは賛否両論で、「ただの気のせいで、何の役にも立たない」との声もあれば、「ある程度の効果があるはずだ。使えばより安心して水泳を楽しめる」という書き込みも少なくないようです。

 これに対して、中国東部の浙江省にある浙江大学医学院付属産婦人科医院の医師、蘭義兵副主任は、「(このような商品は)ただの無駄遣いで、何の効果もない」とみています。蘭医師によりますと、このような「女性器シール」を膣の部位に貼り付けておくと、泳いだり水遊びをしたりしている間に隙間ができて、水が膣内に入ってしまうため、汚れた水を遮断する効果はないとのことです。逆に、シールの中に汚れた水が入ると、湿ったシールに細菌が繁殖しやすいため、感染のリスクが高まります。

 医師の紹介では、女性の膣自体は一定の自浄能力と防御機能を持っています。一般の状況下で、女性の子宮頸口は閉じており、子宮頸部の細胞が子宮頸部の粘液を分泌して自然の防御障壁を形成し、細菌が膣内を通って子宮に入り感染することを防いでいます。国の衛生基準を満たした正規のプールで泳ぐ場合、膣炎や骨盤内炎症性疾患にかかる恐れはほとんどないとのことです。

 一方、ネットユーザーらも、効果のない女性器シールのような商品に頼るよりも、プールの水質管理を強化して女性の健康を守るべきだと求めています。さらに、消費者の心配事を利用して商品の効果を誇張して、虚偽の宣伝をしないよう経営者に呼びかけています。(c)CGTN Japanese/AFPBB News