【9月2日 AFP】韓国の警察は2日、「ディープフェイク・ポルノ」の共有を「ほう助」した疑いで、メッセージのやりとりが暗号化される通信アプリ、テレグラム(Telegram)に関する捜査を先週開始したと発表した。

 ディープフェイク・ポルノには、人工知能(AI)技術によって個人の顔を別のポルノ画像や動画とデジタル合成したどぎついコンテンツもある。

 韓国のテレビ局は先月、大学生がテレグラムで違法なチャットルームを運営し、同じ大学に通う女子学生の画像を使ったディープフェイク・ポルノを共有していたと報道。国民の怒りを呼んでいた。

 会見の記録によると、ソウル警察庁の禹鍾壽(ウ・ジョンス、Woo Jong-soo)捜査本部長は「(ディープフェイク・ポルノに関する)犯罪ほう助の疑いで、先週捜査を開始した」と発表。ディープフェイク・ポルノに関する通報は先週だけでも88件あり、24人の容疑者を特定したと明らかにした。

 テレグラム創業者のパーベル・ドゥロフ(Pavel Durov)最高経営責任者(CEO)は先月、同アプリの不適切管理の疑いでフランスで逮捕されている。

 ウ氏は、テレグラムに関する捜査を強化するために「フランスを含め、各国の捜査機関と連携する」と表明した。

 韓国では盗撮画像やリベンジポルノなど、デジタル性犯罪がまん延しており、加害者への厳罰を求める声が上がっている。

 検事総長の経歴を持つ尹錫悦(ユン・ソンニョル、Yoon Suk-yeol)大統領は当局に対し、「こうしたデジタル性犯罪を徹底的に捜査し、撲滅する」よう指示している。(c)AFP