【9⽉5⽇ Peopleʼs Daily】アフリカでは、経済の一体化が進行している。例えば、アフリカ大陸自由貿易圏(African Continental Free Trade AreaAfCFTA)が2021年1月に発効した。その目的は、関税の引き下げと貿易障壁の撤廃により域内貿易と投資の発展を促進し、アフリカ大陸での物品やサービス、資金の自由な流通を実現することであり、13億人の人口を持つ2兆3000億ドル(約334兆円)規模の大市場を出現させることだ。

 アフリカにとって最大の貿易相手国である中国は、アフリカの経済統合を積極的に支持している。中国とアフリカの貿易規模は拡大し続け、その質も向上し続けている。2000年には1000億元(約2兆300億円)未満だった中国とアフリカ諸国の貿易総額は、2022年には1兆8800億元(約38兆2000億円)に達した。2023年には中国のアフリカからのナッツ類の輸入額は前年比130%増で、野菜では同32%増、花き類は同14%増、果物類は同7%増だった。中国からの電気自動車(EV)のアフリカ向け輸出額は同291%増、リチウム電池では同109%増、太陽光発電関連製品は同57%増で、中国製品はアフリカのグリーン・トランスフォーメーションを後押ししている。

 中国はアフリカ大陸自由貿易圏事務局と経済協力専門家チームを設立し、双方の貿易と投資の円滑化に関する政策交流と経験の共有を強化した。双方はインフラ建設、貿易と金融、産業投資、人材育成、能力構築などの分野での協力を深めアフリカ経済の一体化に力を与えている。

 中国は過去10年間、鉄道と道路をそれぞれ6000キロ以上、大型電力施設を80か所以上建設するなどで、アフリカの発展を最大限に後押ししてきた。中国移動通信(チャイナモバイル、China Mobile)系の中国移動国際が投資と建設に関与する「2Africa海底ケーブル」は、建設完了に伴いアフリカ大陸を一周する総延長が4万5000キロ以上の世界最長の海底ケーブルになる。この海底ケーブルにより高容量で信頼性の高いインターネット網が整備され、医療、教育、金融などの分野のデジタル化がさらに推進されアフリカ経済の一体化にデジタルの支えが提供されることになる。

 2023年8月に開催された中国とアフリカ諸国の首脳対話会では、中国側は「アフリカの工業化支援イニシアチブ」「アフリカ農業の現代化計画」「アフリカ人材育成協力計画」の3措置を提案し、アフリカ経済の一体化と現代化への意欲を示した。

 ケニアの金融グループであるエクイティー・グループ・ホールディングスのジェームス・ムワンギ(James Mwangi)最高経営責任者(CEO)は、経済全般において中国がアフリカに良い影響を与えることを評価した上で、「アフリカは、中国の先進的で成熟した金融決済手段がアフリカ市場に進出することを歓迎します。そのことによりアフリカ大陸の金融一体化が実現し、世界の金融インフラとの相互連携にも新たな力が注入されることになるでしょう」と述べた。(c)Peopleʼs Daily/AFPBB News