プーチン氏は「理性的」 イラク大量破壊兵器査察のブリックス氏
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■プーチン氏は「過ち」を犯した
昨年、「A Farewell to Wars(戦争に別れを)」と題する本を出版した。ウクライナとパレスチナ自治区ガザ地区(Gaza Strip)で紛争が激化している現状を踏まえると、「非常に挑発的」な書名だと認めた。
ロシアのウクライナ侵攻について、米国のイラク侵攻同様、「正道を外れている」と指摘。「プーチン氏は過ちを犯した。後悔しているに違いない」と述べた。
IAEAは今月17日、ザポリージャ原発付近への無人機攻撃を受けて、同原発の安全性は「悪化している」と警告した。
ロシアが侵攻開始直後に制圧した同原発は、繰り返し攻撃にさらされており、ロシアとウクライナは互いに相手方の仕業だと非難している。
だが、1986年のチョルノービリ(チェルノブイリ、Chernobyl)原発事故の時にIAEA事務局長を務めていたブリックス氏は、ロシアが故意にザポリージャ原発を攻撃することはないとの見方を示した。
「ロシアが故意に攻撃するとは思わない」「ロシアが(ザポリージャ原発に)深刻な打撃を与えないよう自国軍に指示していなかったとしたら驚きだ」
プーチン氏が核戦争をちらつかせて西側諸国を繰り返し脅していることについても、心配していない。
「彼は焦って核兵器を振りかざして脅しているが、愚か者ではない」
「セカンドストライク(核攻撃に対する報復攻撃)を受ける可能性がある限り、エスカレーションの恐れがある」と指摘し、「米国、ロシア、中国という大国は、互いに直接衝突する状況を望んでいない」と述べた。
ウクライナ紛争後の将来については、ロシアは最終的に「世界と欧州に復帰しなければならない」が「時間がかかる」との認識を示した。
国際社会は協力して、地球温暖化や感染症の世界的な流行、国際組織犯罪などのもっと大きな問題に取り組まなければならないと主張。戦争という不安材料よりも地球温暖化の方が「心配だ」と語った。(c)AFP/Paul CASSEDANNE
