【8月24日 AFP】米大統領選の民主党候補、カマラ・ハリス(Kamala Harris)副大統領が提示した価格つり上げ禁止策について、エコノミストやアナリストは、競争を阻害し、消費者にかえって悪影響を与えかねないと批判している。

 ハリス氏は先週、新生児がいる家庭を対象とした年間6000ドル(約87万円)の税額控除や、初めての住宅購入者に対する1万ドル(約145万円)の税額控除などを含む経済政策の一環として価格つり上げ禁止策を発表した。

 価格つり上げ禁止策は、大企業が食料雑貨類で「過剰な」利益を上げるのを阻止するための「明確な規則」を設定し、州や連邦政府の規制当局が違反者を罰する権限を強化することを目指している。

 民主党支持層には好評だったが、11月の大統領選でハリス氏と対戦する共和党候補のドナルド・トランプ(Donald Trump)前大統領はSNSで、「カマラはソビエト式の価格統制を実施するつもりだ」と激しく批判した。

 同政策の支持者は、誤解があると主張。エリザベス・ウォーレン(Elizabeth Warren)上院議員は23日、CNBCのインタビューで、「業界が集約すればするほど、利ざやは大きくなる」と指摘した。

 AFPはハリス陣営にコメントを求めたが、回答は得られていない。だが、陣営の声明によれば、同氏が大統領に選ばれた場合、議会と協力して「食料雑貨類の価格つり上げ禁止を史上初めて連邦レベルで」推進するとしており、ワシントン・ポスト紙などの複数の米メディアによれば、陣営は州レベルの既存の禁止策を連邦レベルに引き上げる意向を示しているとされる。