中国の圧縮空気エネルギー貯蔵は大規模化の応用段階に
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【8⽉25⽇ Peopleʼs Daily】中国・湖北省(Hubei)の応城市(Yingcheng)にある世界初の300メガワット圧縮空気エネルギー貯蔵発電所は年内の全容量稼働を目指している。年間発電量は約5億キロワット時だ。
この施設を手がける中国能源建設(中国能建、CEEC)傘下の数字科学集団の李峻(Li Jun)副社長によると、中国で急発展している風力発電や太陽光発電には「やんちゃ」な面がある。需要に対応する発電量の調整が困難で、周波数の変動も著しいのだ。そのため、「エネルギー管理」のための蓄電施設が重要だ。
圧縮空気エネルギー貯蔵発電所は電力需要が少ない時に、余った電力で空気を圧縮して蓄えておく。空気を加圧して圧縮することは空気にエネルギーを加えることなので発熱する。その熱は蓄熱タンクで保存する。
電力消費のピーク時には圧縮された空気を放出して発電する。そのままでは空気の温度が低下して膨張力が弱まるので、蓄えられた熱を利用して空気を加熱する。そうすれば空気の膨張率が大きくなり、発電装置を効率よく動かすことができる。
この方法は大出力、長寿命、出力調整の容易さ、立地の利便性などの特徴を備えている。単機の出力は数百メガワットで、ギガワット級の出力も可能とみられている。施設の寿命は通常30年以上だ。現在の建設期間は18~24か月程度で、単位建設コストは1キロワット当たり6000~8000元(約12万~16万円)だ。技術が成熟し、大規模化すれば、コストは低下するだろう。
中国の圧縮空気エネルギー貯蔵技術は急速に発展しており、世界の先頭を走っている。500キロワットの実験装置、10メガワットのモデル、60メガワットの商業運転に始まり、300メガワットクラスで送電ネットへの接続に成功し600メガワットクラスのユニットの研究の審査も終わった。システムの効率も向上し、多くの施設では65~70%に達した。
中国の電力政策諮問機関である電力計画設計総院の張健(Zhang Jian)副院長によると、圧縮空気エネルギー貯蔵で重要な圧縮機、熱貯蔵交換設備、ガス貯蔵施設、膨張機などの技術は火力発電や動力設備などと近縁性があり、中国自身の経験を生かしやすい。
ただし圧縮空気エネルギー貯蔵には今も、単位体積あるいは単位質量当たりに貯蔵できるエネルギーが相対的に少なく、システムが複雑であるなどの問題がある。
張副院長は、「圧縮空気エネルギー貯蔵の大規模産業化を推進するには、技術革新と効率向上、建設・運営・維持コストの引き下げ、応用の拡大、政策支援、人材育成など多方面で努力する必要があります」と説明した。
中国国家エネルギー局は今年、56のエネルギー貯蔵新型試行モデルのリストを発表した。うち11件は圧縮空気による貯蔵だ。数字科学集団の万明忠(Wan Mingzhong)会長は、「中国の圧縮空気エネルギー貯蔵産業は発展の見通しを得ました。クリーンで低炭素、安全で高効率のエネルギーシステムの構築を力強く支えていく見通しです」と述べた。(c)Peopleʼs Daily/AFPBB News