バングラ・ユヌス氏、ロヒンギャ難民と繊維産業への支援継続を公約
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【8月19日 AFP】バングラデシュ暫定政権の首席顧問に就任したムハマド・ユヌス(Muhammad Yunus)氏(84)は18日、初の主要政策演説を行い、ロヒンギャ難民と繊維産業への支援を継続する意向を示した。
ユヌス氏は、国内に身を寄せている100万人超のロヒンギャ難民について、「政府は引き続き支援する」と述べた。難民の多くは、2017年のミャンマー国軍による大規模弾圧を受け、バングラデシュに逃れてきた。
ユヌス氏は、「ロヒンギャへの人道支援と、安全と尊厳、全ての権利を保障した上での祖国ミャンマーへの最終的な帰還を実現させるためには、国際社会の持続的な努力が必要だ」とも指摘した。
バングラデシュでは約1か月にわたる学生主導の反政府デモの末、政権が転覆。その間、主要産業である繊維産業も大きな打撃を受け、競合国に輸出需要を奪われる形となった。
ユヌス氏は「わが国が中核的な役割を果たしている国際的な衣料供給網を寸断しようとする試みは容認しない」と語った。
バングラデシュは約3500の縫製工場を抱えており、繊維部門は国全体の年間輸出額550億ドル(約8兆円)の約85%を占めている。
一方、ユヌス氏は「数か月以内」に総選挙の実施を目指す考えを示した。
15年にわたり強権支配を続けてきたシェイク・ハシナ(Sheikh Hasina)前首相(76)は今月5日、デモ隊の首相公邸突入を受け、ヘリで隣国インドに逃れた。
ハシナ氏失脚以前から、反体制派の大量拘束や超法規的な殺害など、政権による広範な人権侵害が指摘されていた。警察がデモの取り締まりを開始して以降、ハシナ氏が失脚するまでの3週の間にも450人以上が死亡した。
国連(UN)の調査委員会が近く、デモの最中に行われた「残虐行為」を調査することになっている。
ユヌス氏は、「虐殺をめぐる公正かつ国際的な信用を得られる調査を望んでいる」とし、国連に全面的に協力する姿勢を強調した。(c)AFP