【8⽉16⽇ Peopleʼs Daily】「羊の串をもう10本ください!」――。土曜日の夜、上海市(Shanghai)青浦区(Qingpu)の淀山湖のほとりでは、テントから笑い声と呼び声が絶えず聞こえてきた。

 このキャンプ場を経営する施莉娜(Shi Lina)さんは、時おり「はい!」と返事しながら自転車で走り回って食材を届ける。施さんは「タイヤがパンクしそうです」と笑いながら言ってから、「でも、これぐらい忙しい方がいいんです」と付け加えた。

 中国では近年、キャンプが若者の新たなライフスタイルになった。施さんは、「創業前に調査しましたが、キャンプのベテランは少数で、ほとんどは初心者でした」と説明した。そのため、手軽に飲食を楽しめるキャンプ場の開業を思い立ったという。

 かつてなら、キャンプ中の飲食はとにかく簡単に済ませた。しかし、今の消費者は食材の味や鮮度、豊かさを求めている。施さんは食材を提供する企業十数社の商品を繰り返し試食して取り引き先を決めた。そしてキャンプ場では客が来る前にテントの設営を済ませて火も起こしておく。客は手ぶらで来ればよい。

「食材が新鮮だ」「ボリュームたっぷりで気分最高」――。多くの人がSNSで施さんのサービスに「いいね」をしたり、飲食を楽しむ写真を投稿したりするようになった。施さんは「飲食関係は売り上げ全体の3分の1程度です。でも集客効果がとても大きいのです。飲食関連がしっかりしていてこそ、人気が出ます」と説明した。

 多くの飲食関連企業がキャンプでの飲食の需要増をチャンスと考えてアウトドア用飲食品を提供するようになった。盒馬鮮生(Hema Xiansheng)や叮咚買菜(Dingdong Maicai)などの食品を扱うサイトでは、下ごしらえされていて加熱すればよいだけの食材の「キャンプセット」が売り出された。キャンプ場まで配達する業者も多い。

 鍋料理チェーン大手の海底撈(Haidilao)が経営するキャンプ鍋上海浦東航頭店は週末や祝日になると、約6万平方メートルのキャンプ場はほぼ満席で、少なくとも1週間前に予約せねば利用できない。

 同店の銭江涛(Qian Jiangtao)店長は、「料理はすべて、セット方式で提供しています。客単価は弊社の他の店舗よりも高めですが、茶の儀式や、たき火ショー、フリスビー、囲碁や将棋など多くの娯楽が追加料金なしで楽しめるので多くの方に選ばれています」と話した。

 市街地でのキャンプ式飲食も盛んだ。2023年から多くのショッピングモールのテラスや建物屋上などで「キャンプ場風レストラン」が開業した。仕事帰りの人が数人で連れ立ってバーベキューを楽しむ。上海の人々は平日でもピクニック気分を堪能できるようになった。

 生活関連サービスを手がける美団(Meituan)によると、上海住民が今年上半期に「都市部のキャンプレストラン」を検索した件数は前年同期比で110%以上増加し、美団のプラットフォームで「キャンプ」をテーマにした団体利用を販売する業者数は前年同期比で50%以上増加し、関連する注文件数の増加率は同216%以上だった。(c)Peopleʼs Daily/AFPBB News