AFPが選んだパリ五輪10大トピックス
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【8月14日 AFP】11日に閉幕したパリ五輪では、色鮮やかだがときに物議を醸した開会式から、ボクサーの性別騒動、金メダリストに敬意を表する女子体操表彰式でのお辞儀まで、記憶に残る瞬間が多くみられた。ここではAFPがその中でも特に印象深い10個のトピックスを紹介する。
■雨の開会式
主催者がきらびやかな式典になると約束していた中、雨のセーヌ(Seine)川を進むボートの行進で始まった開会式は、世界中で大きな話題になったが、それは期待していたような理由ではなかった。
ドラァグクイーンや同性愛者のDJがイエス・キリストの「最後の晩餐(Last Supper)」を思わせるポーズを取った場面が、宗教指導者やドナルド・トランプ(Donald Trump)前米大統領から批判された。演出家は最後の晩餐を表現する意図はなかったと釈明したが、インターネット上で激しい中傷を浴びて警察に被害を訴え出る事態になった。
■ジョコビッチの雄たけび
テニス男子シングルスでは、ノバク・ジョコビッチ(Novak Djokovic、セルビア)がカルロス・アルカラス(Carlos Alcaraz、スペイン)との記憶に残る熱戦を制し、四大大会(グランドスラム)全制覇に五輪金メダルを加えた「生涯ゴールデンスラム」を達成した史上5人目の選手となった。
優勝を決めると、ジョコビッチは会場に響き渡る雄たけびを上げ、涙を見せながらプレーヤーズボックスに上って妻と2人の子どもと抱き合った。
試合後には「国を代表することほど意欲が湧くものはない」とコメント。一方で敗れたアルカラスは「国民を落胆させてしまった」と悔やんだ。
■バイルスが「女王」アンドラーデに敬礼
体操女子では、大会を代表するスターとも言えるシモーネ・バイルス(Simone Biles、米国)が、ゆかの表彰式で金メダルを獲得したレベッカ・アンドラーデ(Rebeca Andrade、ブラジル)に頭を垂れたことが大きな称賛を呼んだ。銀メダルのバイルスは「正しいことをしただけ」「レベッカは本当に見事だった。彼女が女王」とコメントした。
またこの種目では、米国のジョーダン・チャイルズ(Jordan Chiles)が採点の見直しを経て銅メダルで表彰台に上がっていたが、スポーツ仲裁裁判所(CAS)が見直しは認めるべきではないと裁定した結果、ルーマニアのアナ・バルボス(Ana Barbosu)が銅メダルとなっている。
■大激戦制したライルズ
陸上男子100メートルでは、世界王者ノア・ライルズ(Noah Lyles、米国)が9秒79で金メダルを獲得。銀メダルのキシェーン・トンプソン(Kishane Thompson、ジャマイカ)とは1000分の5秒差という近代では最大の接戦で、写真判定による優勝だった。
レースを終えたライルズは「自分が彼らの頂点に立つ男。オオカミの頂点に立つオオカミだ」とコメントした。
■パキスタン、やり投げで宿敵インドに勝利
男子やり投げでは、パキスタンのアルシャド・ナディーム(Arshad Nadeem)が92メートル97の五輪新記録を出し、インドの前回王者ニーラジ・チョプラ(Neeraj Chopra)を上回ってパキスタン勢として夏季五輪で初となる個人種目の金メダルを獲得した。
ナディームは「クリケットの試合でも他のスポーツでも、パキスタンとインドはライバル同士。だけど両国の若者がこのスポーツを見て、僕らを追ってくれたのはいいことだし、どちらの国にとっても明るい出来事だ」と語っている。