「子どもたちはばらばらに」 イスラエル軍による学校空爆
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【8月11日 AFP】床には白い遺体袋が無造作に置かれ、その場は悲嘆で満ちていた。10日、避難民たちが身を寄せていたパレスチナ自治区ガザ市(Gaza City)の学校がイスラエル軍のミサイルで攻撃された後の光景だ。恐ろしい光景だが、戦闘が続くガザでは見慣れたものとなってしまった。
イスラエル軍戦闘機による3度にわたる空爆が、早朝礼拝に参加していた人々を襲った。タービイーン(Al-Tabieen)宗教学校とモスクが、この空爆で破壊された。
空爆の後、がれきとともにばらばらになった人体が散乱し、焼け焦げた血まみれの遺体が倒れていた。
険しい表情のボランティアたちは、血まみれの毛布に包まれた遺体を救急車に積み込んだ。重傷を負った男性たちが、地面に横たわりうめいていた。
ガザ地区(Gaza Strip)の民間防衛当局によると、少なくとも93人が死亡。うち17人は女性と子どもだった。イスラエルとイスラム組織ハマス(Hamas)の戦闘が始まって以来、1回の攻撃としては犠牲者を最も多く出した惨事の一つとなった。
イスラエル軍は、学校は「ハマスとイスラム聖戦(Islamic Jihad)の軍事施設として使われていた」と主張。攻撃には「精密兵器」を使用したと述べた。
イスラエル軍によるこうした攻撃は、ここ数週間でパターン化している。AFPの集計によると、7月6日以降、ガザの避難民が身を寄せる少なくとも14の学校が攻撃され、累計280人以上が死亡した。
タービイーン学校の被害状況を見にきた、近くに住むアブ・ワシムさんは、「平和な人々、女性、子ども、若者がいつものようにファジュルの礼拝(早朝礼拝)をしていた時、ミサイルが突然襲った」と語った。
「彼らは亡きがらになった。子どもたちはばらばらになり、女性たちは焼かれた。私たちは何を言い、何をすることができるのだろうか。 私たちに一体どんな力があるのか」(c)AFP