【8月11日 AFP】9日に行われたパリ五輪のブレイキン女子に出場した難民選手団(EOR)の選手が、「アフガンの女性に自由を」というスローガンを掲示して失格になった。世界ダンススポーツ連盟(WDSF)が10日に発表した。

 21歳のマニジャ・タラシュ(Manizha Talash)は、インディア・サルジュー(India Sardjoe、オランダ)との予備予選が始まる直前にスローガンが書かれた青いケープをまとい、失格となった。

 連盟は「難民選手のBガール(ブレイキン女子)タラシュは、着衣で政治的スローガンを示し、五輪憲章の規則50に違反したため失格となった」と発表した。同規則では「オリンピックの用地、競技会場、その他の区域ではいかなる種類のデモも、政治的、宗教的、人種的な宣伝も許可されない」と定められている。

 2021年以降タリバン(Taliban)が実効支配するアフガニスタンの首都カブールで生まれたタラシュは、国を脱出して二人の兄弟とともにスペインで暮らしている。大会前には「アフガニスタンを去ったのは、タリバンが怖かったからでも、あそこでは生きられないからでもない」「アフガニスタンの女の子や自分の人生、将来、みんなのためにできることをしたかったから離れた」と話していた。

 ブレイキンについては、カブールで暮らしていた頃にインターネットで知り、女子はたった一人という中で地元のクラブに加入。殺害予告を受け、練習場所を転々としなければならない中で夢を追ってきた。2021年にはAFPに対して「標的にされる危険は承知の上。怖いけれど諦めない」と語っていた。(c)AFP