トランプ氏が「大ぼら」、会見で披露した逸話を本人らが否定
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【8月10日 AFP】米大統領選の共和党候補、ドナルド・トランプ(Donald Trump)前大統領が数か月ぶりの記者会見で、ウィリー・ブラウン(Willie Brown)元サンフランシスコ市長(90)と一緒にヘリコプターに乗っていた際に危うく死にかけたという驚くべき話を披露し、話題を集めている。だが唯一の問題は、そのような緊急事態の記録はなく、ブラウン氏もトランプ氏とヘリに乗ったことはないと主張していることだ。
トランプ氏は8日、フロリダ州の邸宅前で記者団に対し、ブラウン元市長のことは「とてもよく」知っていると主張した。
「実際、一緒にヘリに乗っていた時に墜落しかけたこともある。一巻の終わりかもしれないと思った。とある場所に一緒に向かっていた際、ヘリが緊急着陸した」「快適な着陸とは言えず、ウィリーは少しうろたえていたよ」と振り返った。
一方のブラウン元市長は、直ちにトランプ氏の主張を否定。トランプ氏とは一度も一緒に仕事をしたことがなく、ヘリには一緒に乗りたくもないと主張した。さらにサンフランシスコ・クロニクル紙に対して、「私がトランプ氏と一緒にヘリで墜落しかけたことがあれば、皆さんも知っているはずだ」と語った。
トランプ氏の話は、ブラウン元市長以外にも驚きをもって受け止められ、会見に関する一番の話題となった。英紙ガーディアンは、トランプ氏が「ヘリコプターに関して大ぼらを吹いた」と報じている。
カリフォルニア州議会の議長も務め、同州政界の有力者だったブラウン元市長の名前が出たのは、同市長は1990年代、大統領選でトランプ氏のライバルとなる民主党候補のカマラ・ハリス(Kamala Harris)副大統領と1年ほど交際していたからだ。
トランプ氏は、同乗した際にブラウン元市長は機内でハリス氏の「悪口」を言っていたとし、「その時にはもう彼女のことをあまり好きではなかった」ようだとも主張した。
しかし専門家は、トランプ氏がもう1人のブラウン氏と混同したのではないかと指摘している。トランプ氏は2018年、山火事で壊滅的な被害を受けたカリフォルニア州北部の町パラダイス(Paradise)を視察する際、ジェリー・ブラウン(Jerry Brown)前知事とヘリに同乗したことがある。
だが、ブラウン前知事はワシントン・ポスト紙に対し、その際にヘリが危険な目に遭ったことはなかったと語った。(c)AFP