【8月10日 AFP】パリ五輪のボクシング女子66キロ級で性別騒動の渦中にあるイマン・ヘリフ(Imane Khelif、アルジェリア)は9日、金メダルを獲得したのは「攻撃」と「いじめ」に対する完璧な対応だと語り、「私は女性だ。他の女性と何ら変わりない」と訴えた。

 ヘリフはローラン・ギャロス(Roland Garros)で行われた決勝で、性別をめぐる騒動をはねのけて完勝した。

 ヘリフと、女子57キロ級に出場している林郁婷(Lin Yu-ting、台湾)は共に、昨年行われた国際ボクシング協会(IBA)主催の女子世界選手権(2023 IBA Women's World Boxing Championships)の性別検査で失格となったが、国際オリンピック委員会(IOC)によって今大会の出場を認められた。IOCは、ガバナンス問題などを理由にIBAの認可を取り下げ、代わりに今大会のボクシング競技を運営している。

 ヘリフはアルジェリアのアブデルマジド・テブン(Abdelmadjid Tebboune)大統領の電話を受けた後、BeINスポーツに対し、「私はいじめと激しい攻撃キャンペーンの標的にされた。これ(金メダル獲得)は最大の対応だ」と語った。

 金メダルを首に下げたヘリフは大勢の報道陣が詰め掛けた記者会見で、今大会に付いて回った自身の出場資格論争に関して問われると、「私には出場資格が十分ある。私は女性だ。他の女性と何ら変わりはない。私は女性として生まれ、女性として生き、女性として競技してきた」と主張。

「攻撃されたおかげで、私の成功は特別な体験になった」と答えた。

 ロシア大統領府(クレムリン、Kremlin)とつながりのあるIBAのウマル・クレムレフ(Umar Kremlev)会長は今週の記者会見で、ヘリフと林に関して、「遺伝子検査で男性を示す結果が示された」と主張した。

 ヘリフはIBAについて、「彼らは私を憎んでいるが、理由は分からない」「私はこのメダルで彼らにメッセージを送った」と述べた。(c)AFP