【8月8日 CGTN Japanese】中国の科学者は人工サファイアを絶縁体とするウエハーの開発に成功し、低消費電力チップの開発に重要な技術的サポートを提供しました。この成果は7日、国際学術誌「ネイチャー」に発表されました。

 電子機器の小型化と性能要求の向上に伴い、チップ内のトランジスタの数は増加し続け、サイズは日増しに縮小し、特に絶縁材料に関する新たな技術的課題が生じています。電子チップの絶縁材料は主に絶縁の役割を果たしますが、従来の絶縁材料の厚さがナノメートルレベルまで減少すると、絶縁性能が著しく低下し、電流漏れを引き起こします。これはチップの消費電力を増加させるだけでなく、発熱量を上昇させ、装置の安定性と寿命に影響を与えます。この難題を解決するため、科学研究チームは革新的な金属インターカレーション酸化技術を開発しました。

 今回発明された結晶の絶縁材料は、インターカレーション酸化技術により単結晶アルミニウムを酸化し、1ナノメートルで極めて低い漏れ電流を実現することができます。このアルミナはサファイアで、人工的に合成されたものですが、その結晶構造、誘電特性、絶縁特性は一般的な宝石と同じです。デバイスの構造として、下部にゲルマニウムの半導体材料、中間に絶縁体、上部に金属があり、中間にある約2ナノメートルの薄い層は人工的に合成されたサファイアで、非常に滑らかな界面は漏れ電流の発生を抑制するのにも役立ちます。

 この新型材料を採用することで、科学研究チームは現在、低消費電力のチップデバイスの製造に成功しており、バッテリー寿命と動作効率が大幅に向上されています。この成果は人工知能やモノのインターネットなどの分野における低消費電力チップの発展に強力なサポートを提供します。(c)CGTN Japanese/AFPBB News