イスラエル極右閣僚、ガザ住民200万人の飢餓は「正当かつ道徳的」
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【8月8日 AFP】イスラエルの極右ベツァレル・スモトリッチ(Bezalel Smotrich)財務相が、パレスチナ自治区ガザ地区(Gaza Strip)で拘束されている多数の人質を解放するために、同地区の住民200万人を飢餓に陥れることは「正当かつ道徳的」だと示唆したのを受け、欧州連合(EU)、フランス、英国は8日、一斉に同氏を非難した。
スモトリッチ氏は今週行われた会合で「人質を解放するために正当かつ道徳的だとしても、世界中の誰も200万人を飢餓に陥れることを許さないだろう」と述べた。
さらに「わが国は(パレスチナへの)人道支援を受け入れているが、そうするしかないからだ。わが国はこの戦争を遂行するために、国際的な正当性を必要とする状況にある」と続けた。
スモトリッチ氏の発言は国際社会の激しい非難を引き起こした。
EUは、民間人を意図的に飢餓に陥れるのは「戦争犯罪」だと非難。「国際法と人道の基本原則の軽視を改めて示した発言だ」と述べた。
また「われわれはイスラエル政府が、スモトリッチ財務相の発言から明確に距離を置くことを期待する」とし、子ども数十万人を含むガザ住民の人道的ニーズを満たすためのアクセスを求めた。
EUはさらに全人質の解放を実現し、ガザ全域への支援物資の供給を増やすためとして、改めて「即時停戦」を呼び掛けた。
フランスも「(スモトリッチ氏の)言語道断な発言に深い失望」を表明した。
英国のデービッド・ラミー(David Lammy)外相はX(旧ツイッター)に「スモトリッチ財務相の発言に正当性はない」と投稿。「イスラエル政府全体に対して、発言を撤回し非難するよう」求めた。
昨年10月7日に紛争が勃発して以来、イスラエル軍に包囲されたガザでは悲惨な人道状況が続いている。住民240万人のほぼ全員が避難を余儀なくされ、食料不足に苦しめられている。(c)AFP