【8月8日 AFP】(更新)パリ五輪は7日、ボクシング女子57キロ級準決勝が行われ、性別問題の渦中にある台湾の林郁婷(Lin Yu-ting)は判定5-0でエシュラ・ユルドゥズカフラマン(Esra Yildiz Kahraman、トルコ)を下し、決勝に進出した。

 前日の女子66キロ級準決勝ではイマン・ヘリフ(Imane Khelif、アルジェリア)も勝利しており、今大会で性別をめぐる騒動に巻き込まれているボクサー2人がともに決勝進出を果たしたことになった。

 2度の世界選手権優勝を誇る林は、身長のアドバンテージを生かしながらリーチで距離を取り快勝したが、判定後にはユルドゥズカフラマンが観客に向かって指で「X」の字をつくる場面が会った。林は前の試合でも、敗れた対戦相手が同様のポーズを取っていた。

 通常、男性はXY性染色体、女性はXX性染色体を持つ。ユルドゥズカフラマンはポーズの意図を説明しなかった。

 林とヘリフは、昨年行われた国際ボクシング協会(IBA)主催の女子世界選手権(2023 IBA Women's World Boxing Championships)の性別検査で失格となったが、国際オリンピック委員会(IOC)によって今大会の出場を認められている。

 林は試合後「決勝戦に臨む感覚は、ここまでやって来れたことに対する自分への感謝の気持ち」「東京五輪では1回戦で負けて、この決勝に進むまで厳しい道のりだった」とコメントした。

 林は10日の決勝でポーランドのユリア・シェレメタ(Julia Szeremeta)と対戦する。ヘリフは9日に中国の楊柳(Yang Liu)との決勝に臨む。(c)AFP/Peter STEBBINGS