【8月7日 CGTN Japanese】中国南部の広東省深セン市龍華区に住む36歳の男性は仕事上の接待などで酒浸りの生活を過ごしていて、最近になり息切れや吐き気、皮膚が黄ばむなどの症状が出ました。病院に行って動脈採血をしたところ、なんと深緑色をしていたとのことです。

 陳さんは過去1年間近く、仕事上の接待のため、500ミリリットル以上の白酒(中国の伝統的な蒸留酒)をほぼ毎日飲み続けていました。およそ半月前からは脱力感や食欲低下の状態が続き、白眼の部分が黄色くなりました。最近では皮膚が黄ばみ、嘔吐や息切れなどの症状も出たので、深セン市龍華区人民病院で受診しました。

 診察を担当したのは感染科の姜春梅主任医師で、陳さんの尿検査をしたところケトン体強陽性であることが分かりました。陳さんは糖尿病と診察されたことがありませんでしたが、糖尿病性ケトアシドーシスという極めて危険な糖尿病の急性合併症にかかっている疑いがありました。採血したところ、その血液はすでに緑色のミルクのようになっていて、肝機能検査の結果、総ビリルビンが1リットル当たりで227マイクロモル、トリグリセリドが17.8ミリモルと、いずれも基準の10倍ほどの数値でした。

 陳さんは最終的に、急性ウイルス性肝炎、アルコール性肝疾患、糖尿病性ケトアシドーシス、高脂血症と診断されました。緑色のミルクのような血液はまさに、長期的な飲酒による深刻な肝損傷と、暴飲暴食による高脂血症が作用した結果です。さらに恐ろしいことは、陳さんは糖尿病を患っていたのにずっと気づいていなかったことでした。

 陳さんの血液はあまりにも粘性が高いので、血管が詰まったり、流れなくなる可能性があり、心筋梗塞や脳梗塞を引き起こしたり急性すい炎になる可能性もありました。医師は最終的に、二重濾過血漿(にじゅうろかけっしょう)交換法(DFPP)で血液交換をすることにしました。DFPPは通常の血漿交換(PE)と比べて分離された血漿を2段階的にわけて濾過し、病因物質を除去してきれいな血漿を患者の身体に戻す方法です。この治療法の長所は患者に大量の血漿を輸血する必要がないことです。

 陳さんは、血漿を濾過していたところ、しばらくして血漿分離器に黄色い油脂がおよそ半分浮いているのを見て驚き、「二度と暴飲暴食で自分の体を傷つけることをしない」と言いました。陳さんは約2週間の治療を経てようやく快復して退院しました。陳さんは退院前に「二度と酒を飲まない」という誓約書を医師に渡したとのことです。(c)CGTN Japanese/AFPBB News