【8月7日 AFP】イスラム組織ハマス(Hamas)は6日、先週イランのテヘランで暗殺された政治的指導者イスマイル・ハニヤ(Ismail Haniyeh)氏の後任に、ハマスのパレスチナ自治区ガザ地区(Gaza Strip)トップを務めるヤヒヤ・シンワル(Yahya Sinwar)氏を選出した。シンワル氏は、ガザ紛争のきっかけとなる昨年10月7日の越境攻撃の首謀者とイスラエルから見なされており、この攻撃以降、姿を見せていない。

 2017年以降、ガザ地区でハマスのトップを務めているシンワル氏の任命について、ハマス幹部の一人はAFPに対し、同組織が「抵抗の道を歩み続ける」というメッセージだと述べた。

 ハマスと対立関係にあるパレスチナ自治政府の主流派ファタハ(Fatah)の中央委員会で事務局長を務めるジブリール・ラジューブ(Jibril Rajoub)氏は「当然の結果で、予想通り」だとコメント。

 イランが支援するレバノンのイスラム教シーア派(Shiite)組織ヒズボラ(Hezbollah)は、シンワル氏を称賛。ハマスの指導者や幹部を殺害しても、「敵」が「目的を達成することはできない」ことを証明しているとした。

 一方、イスラエルのイスラエル・カッツ(Israel Katz)外相は、「(シンワル氏を)速やかに排除し、この邪悪な組織を地上から抹殺しなければならない理由が増えた」と述べた。

 ガザでの停戦合意をめぐっては、シンワル氏はハニヤ氏よりも強硬姿勢を示していると専門家はみている。

 アントニー・ブリンケン(Antony Blinken)米国務長官は6日の会見で、停戦に関して「決定権を持ち続けている」のはシンワル氏だとし、実現につなげるかは同氏次第だと述べた。(c)AFP