五輪ボクシングの性別騒動、台湾当局がIBAへの法的措置示唆
このニュースをシェア
【8月6日 AFP】パリ五輪のボクシング女子で台湾の選手らが性別騒動の渦中にある中、台湾教育部体育署が5日、当該の選手は「男性」だと主張する国際ボクシング協会(IBA)に対して法的措置を取る可能性もあると警告した。
パリ五輪では、台湾の林郁婷(Lin Yu-ting)とアルジェリアのイマン・ヘリフ(Imane Khelif)をめぐって大きな性別騒動が起こっている。両選手はIBAが統括する昨年の女子世界選手権(2023 IBA Women's World Boxing Championships)では性別テストで失格になったが、国際オリンピック委員会(IOC)が運営するパリ五輪では出場を認められ、どちらも準決勝進出を決めてメダルを確定させている。
IOCは、対立状態にあるIBAの財務とガバナンス、倫理面に問題があるとして認可を取り下げている。一方、ロシアを中心とするIBAは、両選手をめぐる状況をはっきりさせようと5日に記者会見を行い、大統領府(クレムリン、Kremlin)ともつながりのあるオリガルヒ(新興財閥)のウマル・クレムレフ(Umar Kremlev)会長が「遺伝子検査で男性を示す結果が出た」と主張したが、関係者の発言が矛盾していることもあり、状況はさらに混乱しただけだった。
これを受けて台湾当局はこの日、「IBAに対して厳重に抗議した」と発表。実質的に五輪ムーブメントから除外されているIBAを「誤解を招く間違った情報を公開し、五輪に介入しようとし続けている」と非難した。
さらに「中華台北オリンピック委員会(CTOC)は、IBAに警告状を送れる弁護士を抱えている。また法的措置を講じ、必要であれば訴訟を起こす権利も有している」とも述べている。(c)AFP