【8月5日 AFP】オランダ・アムステルダムでこのほど、第2次世界大戦(World War II)中のナチス・ドイツ(Nazi)の迫害から身を隠し「アンネの日記」を記したことで知られるアンネ・フランク(Anne Frank)の像が、親パレスチナの落書き被害に遭ったことが分かった。AFPが4日、確認した。

 X(旧ツイッター)に投稿された画像では、アムステルダム南部の公園にある像の台座に「ガザを解放せよ」というスローガンが赤いスプレーで書かれ、像の両手も同じ塗料で塗られていた。

 アムステルダム警察の担当者はAFPに、捜査は開始されたが、容疑者はまだ特定されていないと話した。落書きは3日夜から4日未明にかけて行われたとみられている。

 1945年にナチスの強制収容所で16歳で死亡したアンネは、オランダのユダヤ人コミュニティーの象徴となっている。

 ナチス占領下のオランダでは、同国に暮らしていたユダヤ人14万人の約4分の3が虐殺された。

 フランク一家が1944年にナチスに捕らえられるまで2年間潜伏していたアムステルダムの民家は現在、博物館となっている。

 テレビ局AT5は、この像が狙われたのは先月9日に続き、1か月足らずで2度目だと報じた。警察筋もAFPにこれを認めた。

 AT5によると、自治体は7月の事件の後、防犯カメラや照明の設置など、防犯対策の強化を提案していた。
 
 イスラム組織ハマス(Hamas)がイスラエルに奇襲を仕掛けた昨年10月7日以降、反ユダヤ主義的事件が世界中で増加している。(c)AFP