【8⽉7⽇ Peopleʼs Daily】2024年上半期に中国に入国した外国人は前年同期比152.7%増の延べ1463万5000人だった。

 デンマーク人大学生のアナスン(Andersen)さんが、夏休みを利用して中国旅行をすることを決めたのは、144時間までのトランジットビザ免除を利用できることを知ったからだった。アナスンさんの目的地は四川省(Sichuan)だった。ジャイアントパンダが好きで、「パンダのふるさと」に行ってみたいとかねてから思っていたからだ。アナスンさんは旅が好きだ。ビザ免除については、旅行の選択肢が増えたとして、今後は中国の他の都市にも行きたいと述べた。

 中国は2023年11月17日に、72または144時間のトランジットビザ免除の対象国を54か国に拡大した。2024年になって中国を訪れる外国人観光客が大幅に増加した背景には、このビザ政策もある。

 上海市(Shanghai)では2016年10月に、外国人観光団のクルーズ船による入国について、15日間までの中国滞在の場合にはビザを免除する試みを始めた。その結果、クルーズ船で上海市を訪れる観光客は年平均で10%増加した。

 上海市での試みの成果を受け、2024年5月15日にはクルーズ船利用の外国人観光団の入国の際のビザ免除を実施した港は13か所に増加し、大連(Dalian)、連雲港(Lianyungang)、温州(Wenzhou)、舟山(Zhoushan)、広州(Guangzhou)、深セン(Shenzhen)、北海(Beihai)の7港が、54か国の国籍保有者に対するトランジットビザ免除の措置を適用する通関地に追加された。

 7月3日午後10時、北京首都国際空港(Beijing Capital International Airport)では、北京市公安局出入国管理局職員の王美方(Wang Meifang)さんが突然の電話を受けた。相手は中国国内のハイテク企業の担当者で、外国人専門家2人を急いで呼び寄せる必要が生じたとの相談だった。

 王さんは、緊急の場合には市公安局が発行する「外国人通関ビザ事前受理書」を持って航空機に搭乗すればよいので、電子フォームをメールで送信すると説明した。相手は、フライトが深夜に到着するが、空港での手続きは可能かと質問した。王さんは、北京の首都空港と大興空港(Beijing Daxing International Airport)では24時間対応していると、改めて説明した。王さんはさらに、パスポートのコピー、招待状、関連証明書をオンラインで提出するよう指導した。30分もかからずに、すべての手続きが完了した。

 外国人専門家が乗る旅客機が到着したのは、5日午前4時43分だった。王さんはすでにビザ発行の準備を完了しており、簡単な写真撮影と料金の支払いだけで、外国人専門家2人はビザを取得した。この手際の良さには、外国人専門家も驚いたという。

 国家移民管理局の担当者は、「私たちはもっと多くの外国の友人が、観光、ビジネス、仕事、学習、投資などで中国に来ることを歓迎します」と説明した。2024年上半期には、全国の移民管理部門が通関ビザ68万6000件を発給し、前年同期比では267.9%増加だったという。(c)Peopleʼs Daily/AFPBB News