【8月4日 AFP】(更新)パリ五輪は3日、ボクシング女子66キロ級準々決勝が行われ、性別騒動の渦中にあるアルジェリアのイマン・ヘリフ(Imane Khelif)はハンガリーのアンナルツァ・ハモリ(Anna Luca Hamori)を下し、銅メダル以上が確定した。

 女子57キロ級に出場している台湾の林郁婷(Lin Yu-ting)とともに、今大会で性別騒動の渦中に置かれているヘリフは判定5-0で完勝。試合後には、ヘリフとの対戦は不当だと言っていたハモリと抱擁を交わし、リングを後にする際には涙を見せた。会場には母国アルジェリアから大勢の観客が詰めかけ、声援が送られた。

 ヘリフは6日の準決勝で、チャンチェーム・スワンナーペン(Janjaem Suwannapheng、タイ)と決勝進出を懸けて対戦し、敗れた場合は銅メダルとなる。

 ヘリフは試合後、「これはすべての女性の尊厳と誇りの問題」「アラブの人々は皆、私のことをずっと前から知っているし、私は国際舞台で長く戦ってきている。彼ら(国際ボクシング協会<IBA>)は私に不公平だったが、私には神がついている」とコメントした。

 昨年行われた女子世界選手権(2023 IBA Women's World Boxing Championships)の性別テストで失格となったヘリフと林については、ヘリフの2回戦の対戦相手アンジェラ・カリニ(Angela Carini、イタリア)が開始46秒で棄権してから国際的な論争になっている。

 世界選手権はIBAの主催だったが、IBAはガバナンス問題などで五輪の競技運営権を剥奪され、今大会は代わりに国際オリンピック委員会(IOC)がボクシング競技を運営している。IOCは二人を擁護し、トーマス・バッハ(Thomas Bach)会長は、どちらも生まれも育ちも女性で、パスポートにもそう記されていると述べている。(c)AFP