ボクシングの性別騒動、敗れた伊選手にIBAが賞金 パリ五輪
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【8月4日 AFP】パリ五輪のボクシング女子66キロ級2回戦で、性別問題の渦中にあるイマン・ヘリフ(Imane Khelif、アルジェリア)に敗れたアンジェラ・カリニ(Angela Carini、イタリア)に対して、国際ボクシング協会(IBA)が賞金を出すと発表した。
カリニは1日の2回戦で顔にパンチを2発受けた後、試合を開始わずか46秒で棄権。試合後にはヘリフとの握手を拒否し、リングに膝をついて泣き崩れた。
昨年行われた世界選手権(2023 IBA Women's World Boxing Championships)の性別検査で失格になりながら、パスポートを基準に国際オリンピック委員会(IOC)に今大会の出場を認められたヘリフの適格性は、国際的な論争に発展している。IOCは財務と倫理の面で問題があるとして、IBAの認可を取り消しており、その中でヘリフは両団体の板挟みになっているように見える。
IBAはカリニについて、「五輪チャンピオンと同じように」賞金を出すと発表した。IBAは五輪金メダリストに5万ドル(約730万円)、各国の連盟とコーチにそれぞれ2万5000ドル(約365万円)を贈っているというが、現時点でカリニが受け取る金額は不明。AFPはIBAにコメントを求めたが、回答はなかった。
試合後のカリニの様子について、IBAのウマル・クレムレフ(Umar Kremlev)会長は「あの涙は見ていられなかった」とコメント。「ああいう状況に無関心ではいられないし、われわれなら各選手を守ると約束できる。なぜ彼らが女子ボクシングを潰そうとするのか理解できない」と憤り、「安全のためにも、資格のある選手のみがリングへ上がるべきだ」と話した。(c)AFP
