ボクシングの性別騒動「悲しい」 46秒負けの対戦相手 パリ五輪
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【8月3日 AFP】パリ五輪のボクシング女子66キロ級2回戦で、性別問題の渦中にあるイマン・ヘリフ(Imane Khelif、アルジェリア)に敗れたアンジェラ・カリニ(Angela Carini)が2日、母国イタリアメディアに対し、ヘリフについて気の毒に思っていると語った。
カリニはへリフと対戦した1日の2回戦で負傷し、試合を開始わずか46秒で棄権。その後、昨年行われた世界選手権(2023 IBA Women's World Boxing Championships)の性別検査で失格になりながらも、今大会の出場を認められているヘリフの適格性をめぐり、国際的な論争に発展している。
カリニはガゼッタ・デロ・スポルト紙で、「今回の騒動は自分も悲しいし、対戦相手のことを気の毒に思う。本人にはどうしようもないこと。彼女も私と同じように戦うためにここに来たのに」と話した。
また、自身が試合後の握手を拒否したことについては「わざとではなかった。彼女とみんなに謝りたい」と述べ、「自分の五輪があっという間に終わってしまい、いら立っていた。イマン・ヘリフに対しては何の恨みもない。むしろもう一度会えたらハグをしたいくらい」と語った。
ヘリフは昨年インドで行われた国際ボクシング協会(IBA)主催の世界選手権で出場資格基準を満たさなかったとして失格処分になったが、国際オリンピック委員会(IOC)は同選手のパリ五輪出場を認めている。IBAはガバナンス問題などで五輪の競技運営権を剥奪され、今大会は代わりにIOCがボクシング競技を運営している。
ヘリフは2021年の東京五輪でも女子種目に出場したが、その時は問題にならなかった。(c)AFP