【8月1日 AFP】米大統領選の共和党候補、ドナルド・トランプ(Donald Trump)前大統領(78)は7月31日、大統領選で民主党候補指名を確実にしたカマラ・ハリス(Kamala Harris)副大統領について、本当に黒人なのか、人種を政治的な都合で利用しているのではないかと疑問視した。

 トランプ氏はイリノイ州シカゴで開催された全米黒人ジャーナリスト協会(NABJ)の会合でのインタビューで、「彼女(ハリス氏)は常にインド系で、インド系のルーツのみを打ち出していた。数年前、彼女が突然黒人になるまで、私は彼女が黒人だとは知らなかった」と発言。

「そして今、彼女は黒人として認知されたがっている。彼女はインド人なのか、それとも黒人なのか。私には分からない」「私はどちらも尊重するが、彼女が尊重していないのは明らかだ。ずっとインド人だったのに突然態度を変え、黒人になったからだ」と述べた。

 ハリス氏は移民のルーツを持ち、父はジャマイカ人で、母はインド人。黒人、南アジア系、女性として米国史上初の副大統領となった。

 ジョー・バイデン(Joe Bide)政権は即座にトランプ氏のコメントに反応し、「侮辱的」だと非難した。

 黒人女性として初めてホワイトハウス(White House)報道官となったカリーヌ・ジャンピエール(Karine Jean-Pierre)氏は会見で「他人に対してその人が何者であるかを語ったり、どのように自己認識すべきかを指示したりする権利は誰にもない」と批判した。

 トランプ氏は、ユダヤ系米国人の夫を持つハリス氏を反ユダヤ主義者だと非難するなど、同氏に対する個人攻撃を強めている。

 ペンシルベニア州の州都ハリスバーグ(Harrisburg)で開かれたトランプ氏の選挙集会では、ハリス氏に関するトランプ氏の見解をなぞる声が続々と聞こえた。

 右派の牧師として著名なショーン・ムーン(Sean Moon)氏(45)は「彼女(ハリス氏)はインド系ジャマイカ人だ。アフリカ系米国人としてアピールしようとしているが、彼女に奴隷制によってここ(米国)に連れてこられた人々の血を引いていない」「彼女はその(黒人)文化全体を代表していない。そのように見せようとしているだけだ」と述べた。(c)AFP