中国競泳の薬物問題、22年にも2選手が陽性も処分なし 報道
発信地:パリ/フランス
このニュースをシェア
【7月31日 AFP】パリ五輪に出場予定の選手1人を含む中国の競泳選手2人が、2022年の薬物検査で陽性反応が出たものの、中国反ドーピング機関(CHINADA)からおとがめなしの裁定を受けていたことが分かった。米紙ニューヨーク・タイムズ(New York Times)が30日、匿名の関係者の言葉として報じた。
同紙によると、2人からはステロイドが検出されたが、CHINADAは2人が北京で食べたハンバーガーから偶然摂取してしまっただけで、検出されたのは「微量」でドーピングではなく混入にあたると結論づけた。
中国の競泳をめぐっては、2021年東京五輪前の国内大会で選手23人がドーピング検査で陽性が発覚しながら、五輪に出場していたことが報じられたが、このときも中国側は、禁止されているトリメタジジン(Trimetazidine)が混入した食べ物から意図せず同物質を摂取したという説明を用いていた。今回報じられた選手の1人は、このときの23人の中にも含まれているという。
世界反ドーピング機関(WADA)は今回の報道を受け、「CHINADAは調査を経て、これらの件は食品への混入が関係している可能性が高いと結論づけ、2023年末に違反を認定せずに調査を打ち切った。その間、当該の選手は暫定的な資格停止を科されていた」と発表。「徹底的」な見直しを行った上で、CHINADAの裁定に対する異議申し立ては行わないことを決めたと明かしている。(c)AFP/Simon EVANS