仏司教「キリスト教を嘲笑」 五輪開会式、保守層が不満表明
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【7月28日 AFP】フランスのカトリックの最高機関である司教会議は27日、パリ五輪の型破りな開会式でキリスト教を「嘲笑」する演出があったとし、不満を表明した。
司教会議は声明で、26日夜の開会式は「美と喜び、豊かな感情を提供し、広く称賛された」としながら、「残念ながらキリスト教を嘲笑する場面があり、深く遺憾に思う」と述べた。
「嘲笑する場面」について具体的な言及はなかったが、開会式の「祝祭」をテーマとしたセクションを指しているとみられる。このセクションではダンサーやドラァグクイーンのグループが、「最後の晩餐(ばんさん)」を思わせるポーズを取って座っていた。
保守派や極右政治家らも、性的少数者(LGBTQ)のパフォーマーや多様な人種のキャストが登場する「ウォーク(社会問題に対する意識が高いこと)」なショーに衝撃を受けたもようだ。
仏極右政党「国民連合(RN)」の広報担当者は開会式を「仏文化のじゅうりん」と呼び、米国の保守的な起業家イーロン・マスク(Elon Musk)氏は「キリスト教徒に極めて無礼だ」と非難。
ロシア外務省のマリア・ザハロワ(Maria Zakharova)報道官も「キリスト教徒にとって神聖な物語への嘲笑」であり、開会式は「大規模なゲイパレード」だったと指摘した。
開会式の芸術監督を務め、ゲイであることを公表しているトマ・ジョリー(Thomas Jolly)氏は先週、式が「多様性」を祝福するものになると語っていた。
ジョリー氏は27日の記者会見で、「挑発的であったり、嘲笑したり、ショックを与えたりする意図はなかった」と釈明。「何よりも愛のメッセージ、『包摂』のメッセージを送りたかったのであり、分断させる意図はまったくなかった」と話した。(c)AFP