五輪など国際的な競技大会では中国人選手だけでなく中国製用具も活躍
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【8⽉1⽇ Peopleʼs Daily】スポーツの国際大会では、必ずと言ってよいほど中国人選手が活躍する。選手だけではない。中国製の用具も大いに活躍している。
7月2日にはスポーツ用品メーカーの泰山体育産業集団のパリ五輪競技サービスチームが中国を出発した。同集団が五輪大会の用品を提供するのは7回目だ。パリ五輪で同集団の用品が使われる種目はレスリング、ボクシング、柔道、自転車、テコンドー、体操などだ。
中国のスポーツ用品が世界に認められるようになったのは、企業各社が努力を重ねたからだ。例えばパリ五輪の重量挙げ器材の独占サプライヤー河北張孔バーベル製造だ。同社製のかつてのバーベルプレートは2枚の金属盤がネジと外周のゴムリングで固定される構造だった。そのため、選手がバーベルを床に落とした際に微妙にずれて、同心度や安定性に影響が出ることがあった。そこで同社は、研究開発チームを立ち上げて加圧機を設計製造し、一体圧縮技術を確立した。この技術で問題は解決され、さらにわずか30分で一つのバーベルプレートの原型を作れるようになった。同社は技術革新によりバーベルプレートの品質だけでなく、生産効率も向上させた。
泰山体育の自転車の瑞豹は、今回のパリ大会で初めて五輪の舞台で使われる中国の自転車ブランドだ。泰山体育は中国チームのために、特別仕様の自転車を開発した。同社関係者は「われわれは選手に合わせて製品をカスタマイズします。以前の『人が自転車に適応する』を『自転車が人に適応する』に変えました」と説明した。
広州双魚体育用品集団が製造する五輪大会用卓球ボールは、大会会場に姿を現すまで15の関門を経なければならない。すなわち、丸み、硬度、重量、弾力性などで、いずれも国際卓球連盟の定めた数値の範囲内である必要がある。誤差が小さいほど打球の落下点が正確で飛球のラインが安定し、選手の優れたプレーに貢献する。メーカー側は厳しい基準に合格するために技術を向上させねばならず、そのことが業界の質の高い発展を後押しする。
今年はサッカーのUEFA欧州選手権やコパ・アメリカ(2024 Copa America)、五輪大会などの大きな国際スポーツの競技大会が集中している。競技会や市場のニーズに応えられることが、多くの中国企業の強みだ。江蘇省(Jiangsu)淮安市(Huai'an)のある企業が製造する、チップを挿入したボール類製品の内層部分は海外での人気が高まり、年内輸出分の予約はすでにいっぱいだ。
欧州プロサッカーの競技場には中国の人工芝技術が導入され、中国の器材メーカーが、国際バスケットボール連盟の関係者から製品の標準体系の認証の作業への参画に招待された。海信集団(Hisense Group)は2024年UEFA欧州選手権のVAR(ビデオアシスタント審判)表示の公式パートナーになった。次から次に出現する事例に、中国企業の心意気と実力が示されている。(c)Peopleʼs Daily/AFPBB News