【7月25日 AFP】米国のジョー・バイデン(Joe Biden)大統領(81)は24日、大統領選からの撤退表明後初めて国民向けテレビ演説を行い、「若い世代にバトンを渡す時が来た」と述べた。

 プライムタイムに国民に語り掛けたバイデン氏は「私は大統領職を尊んでいる。だが、それ以上にわが国を愛している」「今、危機にある民主主義を守ることは、どんな肩書よりも重要だ」と述べ、分断が深まっている米国社会に対し、憎悪に溺れず民主主義を重んじるよう呼び掛けた。

 バイデン氏は新型コロナウイルス感染から回復したばかり。米大統領の権力を象徴する執務室で、自らの業績を静かな声で強調しつつ、前進すべき時が来たことを認めた。

「私は、新しい世代にバトンを渡すことが最善の道だという結論に至った。それがわが国を団結させる最良の方法だ」「新しい声、フレッシュな声、そう、若い声を迎えるべき時と場所は今、ここだ」

 さらにバイデン氏は後継として民主党の指名を確実にしたカマラ・ハリス(Kamala Harris)副大統領(59)について「彼女は経験豊富で、タフで、有能だ」と称賛した。

 バイデン氏は、11月の大統領選に向けたドナルド・トランプ(Donald Trump)前大統領との候補者討論会で失態を演じた後、民主党内からの数週間にわたる圧力に屈し、米史上最も遅い段階で大統領選から降りた現職大統領となった。

 バイデン氏が大統領として行った国民向けのテレビ演説は4回目。おそらくこれが最後となるだろう。(c)AFP