「検事vs.重罪犯」 米民主党、ハリス・トランプ両氏の対決構図を鮮明化
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【7月24日 AFP】カマラ・ハリス(Kamala Harris)副大統領と民主党指導部は米大統領選に向けて選挙活動を本格化させる中、ドナルド・トランプ(Donald Trump)前大統領との対決構図を「検事vs.重罪犯」という形で鮮明にしようとしている。
真っ先にこうした観点で2人を対比した一人が、2016年米大統領選でトランプ氏に敗れたヒラリー・クリントン(Hillary Clinton)元国務長官だ。
ハリス氏への支持を表明したクリントン氏はX(旧ツイッター)で、「カマラ・ハリス氏とは長い付き合いだ」「この有能な検事は、有罪評決を受けた重罪犯に証拠を挙げて反論するだろう」と述べた。
ハリス陣営のジェームズ・シンガー(James Singer)報道官も、「これ以上ないほど対照的だ」と述べた。
ハリス氏は、22日にデラウェア州ウィルミントン(Wilmington)の選挙対策本部で職員を前に演説した際、自身の法曹としての経歴とトランプ氏が複数の事件で起訴されている点を強調。
「副大統領、そして上院議員に選出される前、私は(カリフォルニア州で)司法長官を務めていた」「その前は検事だった」とし、「こうした立場で、あらゆる犯罪者と対決した」と述べた。
その上で、「女性を食い物にするやから、消費者をだます詐欺師、欲得のため不正を働く者」「つまり、ドナルド・トランプのような人間のことなら知っている」と訴えた。
ハリス氏は、2019年大統領選の民主党候補指名争いでも検事というキャリアを大いにアピールしたが、当時は、犯罪を厳しく取り締まるという同氏のイメージは党内の進歩派に受け入れられず、結局、ジョー・バイデン(Joe Biden)氏に敗れた。
検事と重罪犯という対比に加え、トランプ氏が討論に応じれば、検事として長年法廷で培ったハリス氏の経験が役立つ可能性もある。
ハリス氏は上院議員時代、最高裁判事に指名されたブレット・カバノー(Brett Kavanaugh)氏や、トランプ政権で司法長官を務めたジェフ・セッションズ(Jeff Sessions)氏、ウィリアム・バー(William Barr)氏を舌鋒(ぜっぽう)鋭く追及し、巧みな質問ができることを実証している。
さらに、81歳のバイデン氏が撤退し、59歳のハリス氏が最有力後継候補に躍り出たことで、民主党は議論の矛先をバイデン氏の年齢や認知能力から、トランプ氏が抱える裁判に向け直すことも可能になった。(c)AFP/Chris Lefkow