仏大統領、反捕鯨団体創設者の日本引き渡しに反対 デンマークに介入
このニュースをシェア
【7月24日 AFP】デンマーク自治領グリーンランドで逮捕された反捕鯨団体「シー・シェパード(Sea Shepherd Conservation Society)」の創設者、ポール・ワトソン(Paul Watson)容疑者(73)について、フランスのエマニュエル・マクロン(Emmanuel Macron)大統領は、身柄を日本に引き渡さないようデンマーク当局に強く求めている。仏大統領府(エリゼ宮、Elysee Palace)が23日、明らかにした。
ワトソン容疑者は米、カナダの国籍を持ち、この1年はフランスに住んでいた。
仏大統領府によれば、マクロン氏は「事態を注視」し、「デンマーク当局に介入している」。
ワトソン容疑者は21日、日本の国際手配に基づきグリーンランドで逮捕された。勾留期間は8月15日までで、この間にデンマーク法務省は引き渡しの是非を判断する必要がある。
フランスでは、ワトソン容疑者の釈放を働き掛けるようマクロン氏に求めるオンライン署名が38万8000筆を集めた。緑の党の議員らも同氏に圧力をかけた。また、映画界のレジェンド、ブリジット・バルドー(Brigitte Bardot)さん(89)も22日付の仏紙パリジャンで、「ポールを救うために私たちはあらゆる手を尽くさなければならない」と訴えた。
シー・シェパードの関連団体「キャプテン・ポール・ワトソン財団(CPWF)」は、ワトソン容疑者が逮捕されたのは、乗っていた反捕鯨船が日本の捕鯨船の操業を「妨害」するため北太平洋に向かう途中、グリーンランドの政庁所在地ヌーク(Nuuk)に寄港したところだったと説明した。
CPWFによると、ワトソン容疑者については、2010年に南極海で日本の捕鯨船に衝突した際の器物損壊や傷害などをめぐり、国際刑事警察機構(インターポール、ICPO)が「赤手配書」を発行していた。
ワトソン容疑者の弁護人の一人は、「日本の逮捕状は国際法違反だ。あらゆる国際人権条約に違反している」と主張している。(c)AFP