【7月24日 AFP】五輪の馬術競技で6個のメダルを獲得している英国のスター選手シャーロット・デュジャルダン(Charlotte Dujardin)が、馬に対して不適切な行為に及んでいる動画が見つかったことを受け、パリ五輪出場を取りやめた。

 国際馬術連盟(FEI)は、匿名の告発者を代理する弁護士から、「デュジャルダン氏が馬の幸福の原則に反する行為に及んでいる様子を映した」動画が届いたと発表。デュジャルダン自身が、動画に映っているのが自分で、「不適切」な行為だったことを認め、本人から調査結果が明らかになるまで暫定的に資格を停止し、パリ五輪出場を辞退させてほしいという申し出があったため、資格停止の処分を即時科した。

 デュジャルダンは、動画は4年前に撮られたもので、不適切行為は「指導中の誤った判断」だったと語った。調査中はパリ五輪を含むすべての大会に出場しないことに決めたと明かし、「あのときのことは私らしくないもので、私の馬の調教の仕方、生徒に対する教え方の流儀に反するものだったが、言い訳はできない。とても恥ずかしいし、もっと優れた手本を示すべきだった」と述べた。

 現在39歳のデュジャルダンは、2012年ロンドン五輪の馬場馬術個人と団体で金メダルを獲得し、2016年リオデジャネイロ五輪は個人で連覇を達成するなど、これまでに五輪で6個のメダルを獲得。パリでも両種目に出場予定で、英国の女子選手では史上最多の7個目のメダルを手に入れる可能性があった。一方で、2019年の欧州選手権では大会後の検査で馬に血が付いているのが見つかり、失格になった。

 五輪と統括団体は近年、動物の不適切な扱いを厳しく取り締まるようになっており、2021年の東京五輪・近代五種では馬を殴ったドイツ代表のコーチが大会から追放された。その後、国際近代五種連合(UIPM)は競技の見直しを行い、2028年ロサンゼルス五輪では近代五種から馬術種目を除外して障害物レースにすることを決めている。

 パリ五輪の馬場馬術は7月30日からベルサイユ宮殿(Chateau de Versailles)で行われる。(c)AFP