【7月23日 CGTN Japanese】夏になって蒸し暑くなると、トイレには、遠くから見るとハエのようで、近くで見ると小さな蛾のような黒い虫がよく出てきます。この虫はチョウバエです。中国では最近になり、このよく見られるチョウバエを叩きつぶした結果、眼球を摘出せざるをえなくなったという話題が、中国国内のアクセスランキング上位にランクインしました。

 中国南部の広東省深セン市に住む呉さんは、しばらく前に、左目の下まぶたに飛んできた小さな虫を叩きつぶしました。すると1時間ほどしてから呉さんの目は真っ赤に腫れて痛みはじめました。呉さんは、近所の小さな診療所に行かざるをえなくなりました。結膜炎と診断され、簡単な治療を施してもらいましたが、左目の状態は好転せず、大病院に行くしかありませんでした。呉さんの左目の視力は0.02にまで低下していました。

 1日をかけて治療を受けても呉さんの目の状態は良くならないどころか、むしろひどくなりました。そして、典型的な緑膿菌感染症の症状が出てきました。すでに薬物治療では病状を抑えることが全くできない状態でした。呉さんは最終的に、脳への細菌の侵入を阻止するために、左の眼球全体を摘出せざるをえませんでした。専門家は、小さな虫が持っていた細菌がちょうど呉さんの目に入り、最終的に感染につながったと見ています。

 チョウバエは毎年4~5月に気温が上がって空気が湿ってくるにつれて、トイレの壁に多くかかるようになります。チョウバエの元の生息地は北米大陸の湿った熱帯地域です。幼虫は汚水溜めや排水管の中に残っている有機物の破片を好んで食べるので、チョウバエはトイレの下水管や汚水溜めに産卵します。汚れた下水管から這い出てくるこの小さな虫は、大腸菌などの病原菌を多く持っています。また、「皮膚蠅蛆症(ようそしょう)」を媒介する場合があることも確認されています。チョウバエは、人の傷口や目に卵を産み、幼虫を孵化させることもあります。専門家は、感染の可能性を避けるために、手で直接叩きつぶすことをしないように勧めています。(c)CGTN Japanese/AFPBB News