【7月23日 AFP】パリ五輪に出場するイスラエルの選手団は22日、パレスチナオリンピック委員会(POC)がパレスチナ自治区ガザ地区(Gaza Strip)での紛争を理由にイスラエルの選手を大会から排除するよう求めた中で、開催地の仏パリへ出発した。

 パリ五輪は、警備への懸念やガザでの死者数と人道危機に対する国際的な怒りが高まっている中で、26日に開幕する。

 POCはこの日、国際オリンピック委員会(IOC)のトーマス・バッハ(Thomas Bach)会長宛てに、イスラエルの出場を禁止するよう求める書簡を送ったことを明らかにした。

 一方、イスラエルオリンピック委員会(OCI)のヤエル・アラド(Yael Arad)会長は、同国のベングリオン国際空港(Ben Gurion Airport)で出発前に報道陣に対し、自国の選手88人がパリ五輪に参加することになったのは「勝利」だとし、「われわれの最初の勝利は、ここにいて出発すること、そして(昨年の)10月7日以降、数百もの大会に参加し続けていることだ」と述べた。

 イスラエル選手団はパリ五輪で厳重な警備プロトコルの対象となっており、大会組織委員会はセキュリティーの強化を図っている。

 フランスでは先日、極左政党「不服従のフランス(LFI)」のトマ・ポルト(Thomas Portes)議員が、パレスチナを支援する集会において、イスラエル代表団をパリでは「歓迎しない」と話し、大会周辺での「動員」を呼びかけた。しかし、ステファヌ・セジュルネ(Stephane Sejourne)外相は22日、イスラエルの選手を「フランスに歓迎する」と述べた。

 今回のイスラエル代表チームは、テコンドー女子のアビシャグ・センバーグ(Avishag Semberg)や、体操男子のアルテム・ドルゴピャト(Artem Dolgopyat)らメダル候補を擁している。2021年に開催された東京五輪では、センバーグが49キロ級で銅メダル、ドルゴピャトが種目別ゆかでイスラエル体操史上初の金メダルに輝いた。

 パリ五輪では、パレスチナ選手8人も参加する予定となっている。(c)AFP