【7月20日 AFP】ジョー・バイデン(Joe Biden)米大統領は19日、大統領選を継続する意向を表明した。バイデン氏をめぐっては、民主党内からの撤退圧力が一段と強まっており、早ければ今週末にも撤退を決断するのではないかとの臆測も広がっている。

 バイデン氏は今週、新型コロナウイルス検査で陽性と判定され、デラウェア州の別荘で自主隔離を続けているが、隔離先からこの日、「大きな賭けだが、選択肢は明確だ。力を合わせれば、われわれは必ず勝利する」と明言。「来週には遊説を再開するのを楽しみにしている」と述べた。

 主治医によると、症状は徐々に治まりつつあるという。しかし、バイデン氏の政治生命は風前のともしびだ。

 3週間前に行われたドナルド・トランプ(Donald Trump)前米大統領とのテレビ討論会での失態から高齢と健康への懸念が強まり、民主党内からは新たに10人の下院議員と2人の上院議員が撤退を求めた。これで公然と撤退を求めた同党議員は、下院議員30人以上、上院議員4人以上となった。

 撤退を求める声は、バイデン氏の盟友で、民主党の主要な資金調達役でもある俳優のジョージ・クルーニー(George Clooney)さんら支持者からも上がっている。新たにシリコンバレー(Silicon Valley)の投資家で主要献金者のマイケル・モリッツ(Michael Moritz)氏もバイデン氏に対し、他の候補者に道を譲るよう求めた。

 米紙ニューヨーク・タイムズはモリッツ氏の発言を引用し、「残念ながら、バイデン大統領に残された選択肢は一つ、虚栄心か美徳かだ」と伝えた。

 報道では、民主党指導部が懸念を表明し、トランプ氏が再選に向けて着々と支持率を伸ばす一方で、バイデン陣営は献金を停止されて選挙資金が不足しているとされ、包囲網は狭まってきているようだ。

 NBCニュースによれば、バイデン氏の家族の一部は「選挙戦からの撤退について話し合った」が、最終的な決断は下していないという。(c)AFP/Saul Loeb with Danny Kemp in Washington