【7月16日 AFP】ニュージーランドの海岸に今月、世界で最も珍しいクジラとされるバハモンドオウギハクジラ(spade-toothed whale)の死骸が打ち上げられた。非常に稀な種であるため、これまで生きている姿が目撃されたことはない。

 政府機関研究者らによると、死骸は7月4日、オタゴ(Otago)地方南部の河口付近で見つかった。体長は約5メートルだった。

 自然保護省と国立博物館「テ・パパ(Te Papa)」の海洋哺乳類の専門家によって、雄の個体と断定された。現在、確認のため遺伝子調査が行われている。

 自然保護省のオタゴ地域担当者は「バハモンドオウギハクジラは、現代の大型哺乳類種の中で最も情報の少ない種の一つ」とし、「1800年代以降、世界で記録された件数はわずか6件で、そのうちの1件を除き、すべてがニュージーランドでの記録となっている」と述べた。

 自然保護省は、見つかった死骸の状態が良く、研究解剖をする機会が初めて得られたとしている。(c)AFP/Chris FOLEY