【7⽉18⽇ Peopleʼs Daily】北京市東城(Dongcheng)区内のある小学校では、5年生が文化財を学ぶ授業を受けていた。モニターには青銅製の古代の鼎が映し出されていた。児童の1人がモニター上で指を軽く滑らせると、「鼎」の画像の角度が変わった。児童は「360度の展示です。博物館でも全部を見るのは難しいです。モニターならば拡大もできて、細部を探ることができます」と話した。

 同校の副校長は、「拡張現実(AR)、仮想現実(VR)、クラウド演算などの多くの技術を利用して、中国の優れた伝統文化財を学ぶ資源をデジタル化しています」、「新しい教育の場を設けたことで、児童は授業を受けたり見学したりするだけでなく、観察と思考、問題解決、表現能力を育てることができます」と説明した。

 江西省(Jiangxi)南昌市(Nanchang)にある国家職業教育仮想模擬実習モデル基地には空港タワー、航空機、エンジンなどをVRで再現する装置がそろっている。VRを利用して繰り返し訓練することで、技能レベルを向上させることができる。しかも低コストだ。関係者は「機械の内部構造が見え、手作業で分解や組み立てもできます。非常にリアルで直感的です」と説明した。

 中国情報通信研究院技術と標準研究所の臧磊(Zang Lei)副チーフエンジニアは、「スマート学園のオンライン教育、ホログラフィック教室、VR実験実習などの教育方式は、良質なカリキュラムやさまざまな状況を示す情報資源を日常教育に取り入れ、学ぶ人に生き生きとした学習シーンを提供し、教室や学校という仕切りを超えた学習モデルを構築します」と説明した。

 浙江省(Zhejiang)杭州市(Hangzhou)の丁蘭第二小学校の体育の授業では、児童が立ち幅跳びの練習をする一方で、横にあるスマートスポーツシステムが高解像度カメラ6台を用いて、児童の踏み切りや着地、ジャンプの過程における重要な段階を全方位で細かく捉えている。「腕を振る角度が小さい」、「踏み切りの速度が遅い」、「片足で着地した」――。システムは児童の動作を認識して改善を促す。

 杭州市上城区教育学院教育情報資源センターの李慶力(Li Qingli)副主任は、「スマートスポーツシステムは動作データの自動収集と分析をするだけでなく、児童の完成度について報告することができます。このことで教師の授業に科学的な根拠ができ、教育評価がより正確になります」と述べた。

 効果的なデータ分析と応用は、学ぶ人の状態を理解し、個人に特化された指導を実現し、さらに教育上の問題を発見し、科学的な意思決定を助けることに役立つ。相互接続して連動するワンストップ式総合情報システムを構築すれば、学校の教師と児童・生徒らに迅速に対応する良質な教育サービスを提供し、さらに学校の管理意思決定能力の向上にもつながる。中国では、スマート学園へのデータによる支援強化を目的に、国家教育デジタル化ビッグデータセンターの建設も始まった。(c)Peopleʼs Daily/AFPBB News